展示も充実「向山駅ミュージアム」再開へ

開館準備を進めている中村会長(中)ら愛好会の会員たち

 青森県おいらせ町の青い森鉄道向山駅駅舎にあり、新型コロナウイルスの影響で休館していた「向山駅ミュージアム」が5月2日、内容を充実させ、本格的に再開する。2012年2月に開館してもうすぐ10年。「元気にやっている姿を見てほしい」と意気込んでいる。

 ミュージアムの開館は、向山町内会長の中村淳悦さん(67)らが、廃虚同然だった無人駅を見るに見かねて掃除したのがきっかけ。見つかった国鉄時代の資料の展示を思い付いた。開館から間もなく、ファンクラブと運営団体を兼ねた地域おこし団体「向山駅愛好会」が発足。今では会員70人規模まで育った。

 しかし、ファン交流イベントなどがコロナ禍で中止になり、昨年2月末で展示運営も休止。同10月に一度は再開したものの、約1カ月後に再び休止していた。

 一方、休館期間を逆手に、鉄道模型とジオラマの制作は、愛好会役員で野辺地町臨時職員の鈴木裕さん(57)を中心に順調に進行。「新幹線」は1周約10メートルまで延び、のどかな風景の「山里ジオラマ」も完成した。中でも「新幹線」は2路線がスムーズにすれ違えるようになった。

 鉄道グッズ展示を聞き付け、退職した町内外の元鉄道マンが制服や帽子などを寄贈するケースも増えた。

 また、駅舎の最も奥に仮眠室があり、休館中から本格的に掃除し始めた。展示済み以外の資料も発見し、「10年の節目に合わせ、新たな展示コーナーにしたい」(中村さん)という。記念誌の編集や記念式典も準備しており、旧十和田観光電鉄線の遺構や南部縦貫レールバスなどと連携したツアー企画もできないか-とアイデアと意欲は衰えない。

 ミュージアム玄関先の木札には「大正11年8月5日開業」の文字がある。来年が開業100年に当たる。中村さんは「偶然、節目が重なった。コロナに負けず、励みにして魅力を発信したい」と、ファンの訪問を心待ちにしている。

 当面は毎週日曜の午前10時~午後4時に限定して開館。

子どもたちに人気の鉄道模型は休館中に配線作業がはかどり、順調に“延伸”

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