伊劇団からの手紙初公開 五輪と寺山修司展/三沢

新たに展示されている、マリオ・リッチ劇団が寺山に送った手紙=テラヤマ・ワールド所蔵

 青森県三沢市の寺山修司記念館は、開催中の特別企画展「オリンピックと寺山修司~スポーツと芸術が交差するとき~」の資料約140点のうち、20点を入れ替えた。1972年ミュンヘン五輪でテロの後、芸術展示の中止に抗議声明を出したイタリアのパフォーマンス集団「マリオ・リッチ劇団」が、寺山に送った手紙を初公開している。同企画展は3月31日まで。

 9月5日のテロの後、スポーツ競技は続いたが芸術展示は中止され、参加団体はデモを行った。マリオ・リッチ劇団は「我々(われわれ)のパフォーマンスは、昨日も今日も明日も、果たすべき役割がある」(意訳)との声明を発した。

 寺山に送った手紙には声明の内容が記されており、同館学芸員の広瀬有紀さんは「膨大な資料の中からテーマに沿ったものを探し続ける中、光を当てることができた意義は大きい」と話す。寺山の主宰する「天井桟敷」はテロが起きる前まで野外劇「走れメロス」を上演。天井桟敷はデモには参加せず、会場で大道具を燃やし、劇の中で抗議することを目指したという。

 64年東京五輪のポスター(全4作品)は、第1、2号ポスターに代わり第3、4号を展示。このほか今回新たに、寺山が収集した74年イランアジア大会の記念切手や、寺山の父・八郎が旧満州(現中国東北部)で従軍していた時の写真も展示されている。

 同企画展の問い合わせは同館(電話0176-59-3434)へ。

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