昔のねぶた祭 味わって/ワ・ラッセで来月企画展

1956年の記録映画で、ガガシコを手に運行団体の先頭で練り歩く子供たち(ワ・ラッセ提供)

 子供たちの集団がガガシコを打ち鳴らし、ハネトの掛け声は「ホッ」-。ハネトが「ラッセラー、ラッセラー」と声を張り上げて跳びはねる現代の青森ねぶた祭と趣が異なるかつての祭りの姿を、映像を中心に紹介する企画展が来年1月2日から、青森市のねぶたの家ワ・ラッセねぶたミュージアムで開かれる。昔の祭りの姿を撮影した映像のうち1956年の記録映画は、近年になって存在が知られるようになった。カラー映像で音声も入っており、ワ・ラッセによると、極めて貴重な史料という。

 企画展は、ワ・ラッセが「映像で振り返る懐かしの青森ねぶた祭」と銘打って実施する。

 56年の記録映画は東京の会社が制作し、同祭を2分30秒余り紹介。展示に当たり、同社の協力を得た。子供たちの集団が運行団体の先頭で「ラッセラー、ラッセラー」と叫び、ガガシコを打ち鳴らし「ガガシコガン」。浴衣衣装のハネトたちは扇子を手に、笛の1小節ごとに「ホッ」「ホッ」と踊りながら声を上げている。跳ね方も囃子(はやし)も現在と異なる。

 ワ・ラッセの吉岡隆事業推進課長は「当時は子供たちがガガシコを手に、祭りで活躍する役割を持っていたことが分かる」と指摘する。現在のハネトの跳ね方は昭和40年代に入り、定着したという。

 企画展ではこのほか、1950、53、61年などの映像や、56年の映像にも映っている第2代ねぶた名人の北川啓三さんの下絵や試作用のねぶた、当時を中心とした写真約50点なども展示する。

 吉岡課長は「かつての祭りの姿は文献には残っていたが、テンポ、掛け声が分かる映像は貴重。祭りを後世に伝える上で、記憶から消えつつある祭りの変遷について多くの人に知ってほしい」と話している。

 企画展は13日まで。

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