【連載うまい森・味めぐり】味わい濃厚「ガニ汁」/東北

シジミやワカサギと並ぶ小川原湖の名産品として人気上昇中の「ガニ汁」。缶詰製品なら伝統の味を家庭でも手軽に楽しめる

 水産資源が豊富で古くから「宝湖(たからこ)」とも呼ばれる青森県東北町の小川原湖で、急速に人気が高まっている名物がモクズガニの「ガニ汁」だ。濃厚な独特の味わいがテレビのグルメ番組などで広まり、全国の食通から注目されるようになった。

 ガニ汁の宣伝効果の面から、町関係者が筆頭に上げるのは2017年4月放送の「満天☆青空レストラン」(日本テレビ系)。この中で、過去に登場したご当地料理の全国ランキングが発表され、小川原湖のガニ汁は「衝撃の調理法! 衝撃のうまさ!」と評され、スープの部で堂々の1位に選ばれたのだった。

 ガニ汁は小川原湖岸で、いわゆる「漁師メシ」として伝えられてきた郷土料理。湖で捕った活ガニを殻付きのまま細かくつぶし、うま味が凝縮された汁を搾る。しょうゆ仕立ての味付けで煮込み、タンパク質などがふわふわと固まったところへ、ニラや豆腐を加えて味わうのが一般的だ。

 道の駅「おがわら湖」では、この味を手軽に体験できる缶詰が売られている。吉本興業グループの地域活性化プロジェクト「よしもと47シュフラン」で、18年度の金賞認定を受けた商品だ。

 道の駅の運営会社の新山博章取締役は「番組のおかげで土産品としての売れ行きも好調。ここにしかない独特の味を、ぜひ楽しんでください」とPRする。

▼「食と一緒に天然温泉も」/蛯名鉱治 町長


東北町長・蛯名鉱治氏

 ガニ汁に使うモクズガニは淡水の生き物ですが、小川原湖は海とつながっている汽水湖なので、よそのカニとは風味が違います。全国ネットのテレビ番組で取り上げられたおかげで、ふるさと納税の返礼品としても人気になりました。

 このほか、小川原湖産大和しじみやワカサギ、シラウオも有名。かつて日本一の水揚げを誇った天然ウナギを味わうため、わざわざ飛行機や新幹線で首都圏から訪れるグルメの方もいます。

 町内では、平安時代に坂上田村麻呂が文字を刻んだとされる「日本中央の碑」が展示されています。気軽に日帰り入浴を楽しめる天然温泉も12カ所ありますので、おいしい食事と一緒に楽しんで、心身をリフレッシュしてください。

▼自慢の名産品ずらり/道の駅「おがわら湖」


「小川原湖産大和しじみ」などが人気の直売コーナー

 東北町産の新鮮野菜や小川原湖の名産品を手に入れるなら、湖の近くにある道の駅「おがわら湖」がお薦めだ。

 メイン施設「湖遊館」の直売所で根強い人気を誇るのは、特産の「小川原湖産大和しじみ」やナガイモ、産直友の会メンバーによる手作り総菜・菓子など。レストランでは、人気の「しじみラーメン」「しじみソフトクリーム」など地元食材を生かした各種メニューが味わえる。問い合わせは湖遊館(電話0176-58-1122)へ。

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