銘菓「ジャステラ」まだまだ作る/野辺地

「ジャステラ」を手に笑顔を見せる村中さん

 青森県野辺地町の銘菓「ジャステラ」。そのジャステラを手掛ける「和洋菓子の店 むらなか」が9月末で店を閉じた。しかし、ファンの熱い要望を受け、店主の村中久美子さん(55)が製造を続けることを決意。今月以降も町内の2観光施設で購入できることになった。闘病中の身である村中さんだが、「あと5年は作りたい」と明るく目標を語る。

 ジャステラは1996年に誕生した。当時町内で催されていたジャズコンサートをPRしようと、久美子さんと夫の寿彦さんが創作。カステラ生地に町名産のケツメイ茶の粉末を混ぜ、中にカスタードクリームを入れたスイーツで、「ジャズ」と「カステラ」を掛け合わせて命名した。

 発売直後から口コミで人気を集め、店も軌道に乗ったが、2010年に寿彦さんが急性骨髄性白血病のため49歳の若さで死去。それ以降、久美子さんは一人で作り続けてきた。

 年中無休を貫いてきたが、3人の子供が独立したこともあり、昨年から経営に一区切りつけることを考えていたという。そうした中で、今年1月には乳がんが見つかった。「動けるうちに後始末しないと。あとは別の仕事をして、好きな映画鑑賞やゴルフなど、やりたいことをやろう」

 いっときは東京で再就職することも考えた。しかし、閉店することを知った顧客や友人から「食べられなくなるの?」といった問い合わせや継続を願う声が相次いだため、人気の味を守ることを決めた。「作るだけならできるかな-と思った」と久美子さんは話す。

 28年間続けた同町鳴沢の店舗は閉めたが、ジャステラは今も町観光物産PRセンターと産直施設「のへじ活き活き常夜燈市場」で売られている。カスタード、コーヒー、抹茶、ごまの4種類の味も健在だ。

 製造にだけ専念できるようになり、山登りなど自分の時間も随分持てるようになった。「がんを気にしていてもしょうがない。今も忙しいけど、充実している」。治療中とは思えない笑顔で久美子さんは語る。

 販売継続を喜ぶ人が町内にいる。1992年から12年間行われたジャズコンサートを主催した「HOTジャズINノヘジ」代表の船橋玲さん(64)。ジャステラの名前は、船橋さんと亡き寿彦さんが2人で考えた。商品の開発を持ち掛けたのも船橋さんだった。

 クリームの甘さとケツメイ茶の香りがミックスした味わいは、出演者にも喜ばれたという。世界的ピアニストの山下洋輔さんも、エッセー集「山下洋輔の文字化け日記」の中で、「他に例のないユニークな存在」とつづっている。

 「作る人の思いがこもっている物はずっと残っていく。ジャステラもその一つ。久美子さんが続けてくれるのはうれしい」と船橋さんは話している。

 ジャステラは1個150円(税込み)。注文や問い合わせは、むらなか(電話0175-64-7353)へ。

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