【連載うまい森・味めぐり】食感が自慢 パイカ料理/三沢

パイカ独特の食感が楽しめる「だい天」の赤ワイン煮。ゴボウやニンジンなど付け合わせの野菜も三沢市産にこだわっている

 青森県三沢市内の飲食店で、ご当地メニューに見掛けるようになったパイカ(豚バラ軟骨)。三沢の新名物にしようと、市がグルメ化を進めてきた食材だ。軟骨ならではのコリコリした食感が自慢で、市内外のイベントなどを通じて知名度も、じわじわ上がってきた。

 パイカという呼び名の由来は、豚のスペアリブ(骨付きバラ肉)を指す中国語の「排骨(パイコー)」だとか。中華では排骨飯、排骨麺などがおなじみだ。

 パイカは骨ではなく軟骨が付いた肉だが、下処理に手間が掛かることもあり一般には、なじみが薄かった。豚肉をよく知る三沢畜産公社の職員らが「うまい部位なのに利用されないのは、もったいない」との思いから、2008年にパイカ鍋を考案しPRを始めた。

 豚1頭から取れるパイカは500~1000グラムと多くはない。だが、公社が管理する市食肉処理センターの処理実績は18年度で約46万4千頭に達し、稼働日当たりで1900頭を超す。10年前の1.7倍だという。

 市内でパイカを扱う店は15軒ほど。煮込みのほか、カレーやラーメン、焼き肉などのメニューも増えた。赤ワイン煮を提供する居酒屋「だい天」の経営者・松橋秀典さん(61)は「煮込めばプルプルにもなるので初めての方は『ほんとに軟骨なの?』と驚きます。やはり独特の食感が魅力でしょうね」と話す。

▼「国際色豊かな基地の街」 小桧山吉紀市長

 パイカ(豚バラ軟骨)という部位は、以前は食材として未利用だったわけですが、市内の飲食店で鍋ものや赤ワイン煮などのメニューが登場すると、独特の食感が知られるようになりました。コラーゲンが豊富なので女性にも人気のようです。

 三沢は、ゴボウをはじめとした根菜作りも盛ん。世界初の太平洋無着陸横断飛行に成功したミス・ビードル号をデザインした「赤とんぼ」印のスルメイカ、さらにヒラメ、ホッキガイなど海の幸にも恵まれています。

 米軍基地がある街ということで、アメリカンデーやハロウィンフェスタなど、米国文化を家族で楽しめるイベントもたくさんあります。食の魅力と一緒に、国際色豊かな雰囲気を味わいに来ていただきたいですね。

▼旬のホッキガイも登場 12月8日、地産地消フェア

 三沢市の豊かな海・山の幸が集まる恒例イベント「みさわ地産地消フェア」が12月8日、三沢漁港で開かれる。

 本年度は水産物をメインに、12月から漁が始まる冬の味覚・ホッキガイやミニほっき丼を販売。全国に誇るゴボウやニンジン、ブランド豚「やまざきポーク」、パイカ料理なども提供する。

 フェアは午前9時半から午後4時まで。問い合わせはNPO法人まちづくりコンソーシアム三沢(電話080-3194-3445)へ。

三沢市長・小桧山吉紀氏

地元の農水産物や食材を使った料理が並び、にぎわうフェア会場

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