祭りの鼓動、奥津軽に到来/立佞武多開幕


 青森県五所川原市の五所川原立佞武多(たちねぷた)が4日、市中心街で開幕した。「ヤッテマレ、ヤッテマレ!」の勇ましいかけ声が響く中、高さ10メートルの新作中型立佞武多「織姫と彦星(ひこぼし)」を先頭に、高さ23メートルの大型立佞武多3台を含む17台のねぷたが約1.3キロのコースを練り歩き、奥津軽の夏を盛り上げた。

 今年は制作場所にもなっている観光施設「立佞武多の館」が改修工事中のため、新作の大型立佞武多の登場はなく、大型は昨年と同じ「暫(しばらく)」「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」「閻魔(えんま)」の3台が出陣した。午後6時半、同市大町の旧ロータリー交差点では3台がそろう「お見合い」が行われ、沿道を埋め尽くす人々がねぷたの威容を堪能した。

 同7時、花火の合図で運行がスタートすると、威勢のいいかけ声と軽快なはやしのリズムが街中に広がった。東京都から夫婦で訪れた玉川拓さん(40)は「ずっと見てみたかった大型立佞武多が想像の倍くらいの大きさで、迫力に圧倒された」と感激した様子で話した。

 同日の観客は7万1千人(主催者発表)。祭り期間は8日までで、大型立佞武多3台と「織姫と彦星」は毎日出陣する。

 3日目を迎えた青森市の青森ねぶた祭は、大型ねぶた19台と大太鼓1台が合同運行し、沿道を沸かせた。5日は大型全23台が勢ぞろいし、大太鼓とともに練り歩く。

 4日目を迎えた弘前市の弘前ねぷたまつりは、大小21台の扇ねぷたなどが土手町コースに出陣した。5、6日はJR弘前駅周辺の「駅前コース」を運行する。

新作の中型立佞武多「織姫と彦星」(右)が出陣し、開幕した五所川原立佞武多。左は大型立佞武多「暫」=4日午後7時過ぎ、五所川原市大町

五所川原市

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