缶詰に見る青森県の歴史 近代文学館でサテライト展/県立郷土館

青森県の缶詰にまつわる歴史や食文化を紹介する県立郷土館サテライト展=10日、県近代文学館

 長期休館中の県立郷土館が随時行う館外展示「サテライト展」で、青森県の缶詰業の歴史や食料保存にまつわる生活文化を紹介する「缶詰王国あおもり~缶詰の歴史と食文化」が11日から、青森市の県近代文学館カウンター前ロビーで始まる。県立郷土館によると、缶詰に特化した展覧会は青森県初。関係者は「海も森も豊かな食文化に恵まれた本県の魅力を再発見するきっかけになれば」と期待を寄せる。

 青森県では明治時代以降、豊かな海や森の資源を活用した缶詰業が大きく発展。現在もサバの缶詰の出荷量は日本一を誇るほか、自家用で山菜やキノコを缶詰にして保存するというユニークな食文化があり、「缶詰王国」とも呼ばれている。

 会場には、同館が所蔵する戦前の缶詰や中身の模型など136点を展示。現存する県産缶詰では最古とみられる1898(明治31)年ごろの「ほや水煮缶詰」(東京大学総合図書館蔵)には、「青森市 陸奥物産製造所」の文字が見える。

 個人が保存用に山菜やキノコを加工業者に持ち込んで缶詰にする“マイ缶詰”、明治から大正にかけて青森県で盛んに栽培されたマルメロの缶詰なども並び、缶詰を通じて青森県の農林水産業の変遷や食文化の奥深さを知ることができる。

 展示を企画した同館の増田公寧(きみやす)主任学芸主査は「水産資源や森林資源に恵まれた本県が、今も昔も缶詰王国であることは変わらない。缶詰の価値を見つめ直し、独特の食文化も学んでもらえたら」と期待した。

 同展は10月23日まで。観覧無料。問い合わせは同館(電話017-777-1585)へ。

青森市

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