「私のカワイイ」語りあって 青森で開催中、サンリオ展監修の高桑さん

「親子3世代でも楽しめる展覧会になっている」と話す高桑さん

 「カワイイ」を通してみんなで仲良く、思いやりを深めよう-。その思いが文化として日本に広まり、世界へと羽ばたいた。サンリオとファンをつなぐ情報誌「いちご新聞」の元編集長で「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」(青森市の東奥日報新町ビルで開催中)を監修する高桑秀樹さん(61)は「サンリオはカワイイ文化の先駆者といわれていて、ファンと文化をつくってきた。展示を見ながら『私のカワイイ』を語り合ってもらいたい」と話した。

 サンリオは戦後の高度経済成長期である1960年、現名誉会長である辻信太郎さんが創業した。「争いのない平和な世界をつくるために、かわいいものを贈り合ったらどうだろう」。カワイイ文化の種が芽吹いた瞬間だった。

 75年に創刊し毎月発行している情報誌「いちご新聞」では、読者参加型のテーマが多く取り上げられている。「カレのハートをキャッチしちゃおう!」「先生、わたくしたちにも言わせてもらいます」。約20年にわたり同誌の編集長を務めてきた高桑さんは「女の子のライフスタイル提案など、カワイイ文化の基礎がいちご新聞でできた」と振り返る。

 サンリオがこれまで生み出してきたキャラクターは450以上。その中でも、少女だけでなく大人、そして世界に「カワイイ」が広まるきっかけになったのがハローキティだ。個性がなく、ファンに合わせて見た目や扱う商品を変えられることから、それぞれのキティちゃん像をつくり上げることができ、多くの年代、国で愛されるキャラクターになった。ほかのキャラクターに関しても「それぞれに時代の空気がしみこんでいる」と高桑さんは話す。

 ファン一人一人が独自のかわいい世界観を持っていて、それに寄り添うキャラクターがいる。高桑さんは「普段は忘れているかもしれないが、展覧会に来て、ときめく感情を思い出してくれたらうれしい」と思いを込めた。

 サンリオ展は東奥日報社、東奥日報文化財団主催。12月3日まで。開館は午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)。入場料は一般・大学生1400円、小中高生800円、未就学児は無料。

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