「浅虫ねぶた冬の陣」誘客へ地域一丸/青森

館内に展示しているねぶた「龍王」(写真奥)の制作エピソードを披露する作者の竹浪さん(左)=18日、南部屋・海扇閣

 青森市浅虫温泉地区の観光関係者らでつくる実行委員会が、例年観光客数が落ち込みがちな冬季の誘客企画として「浅虫ねぶた冬の陣」を展開している。宿泊・観光施設のねぶたを鑑賞して回るツアー、ねぶたなどの地元文化を体験するプログラムを用意。住民や関係団体が連携しながら、「冬でもねぶたが楽しめる街として浅虫を発信したい」と観光客の呼び込みを図る。2月16日まで。

 初日の1月18日には、ねぶた鑑賞ツアーの特別版と題して、第7代ねぶた名人の竹浪比呂央さんの講話を行程に組み入れた。

 竹浪さん作のねぶた・龍王を展示している「南部屋・海扇閣」で、竹浪さんは浅虫に縁のある同ねぶたの制作エピソードや、自身がねぶたに関わるようになったいきさつなどを披露。「地元の歴史やゆかりの人物、伝説、民話をねぶたで表現し、青森県を内外に発信したい」と語った。

 ツアーの参加者は地区内の6施設を巡り、ガイドの説明を受けながら展示作品を鑑賞した。東京都東村山市から参加した会社員男性(59)は「迫力があるねぶたが、これだけ多く浅虫にあるとは知らなかった。有意義な時間を過ごせた」と喜んだ。

 「ねぶた冬の陣」企画の期間中は金土日曜に各種イベントを開く。鑑賞ツアーのほか、夏の浅虫ねぶたに出陣予定の金魚ねぶた制作やはやし体験、こぎん刺しや棒パン作りなどの有料プログラムを設けている。26日には、ゆ~さ浅虫市場に飾っている地域ねぶたを点灯し、はやしに合わせて跳ねるイベントを予定する。

 企画の一環として目抜き通りに並べるねぶた灯籠の制作・修復には、地元の浅虫町会のメンバーらが関わった。同町会理事の鳴海弘志さん(68)は「地区の旅館の頑張りに、住民も一緒になって応えなければ。浅虫はまだまだ可能性があると地元のみんなに感じてもらい、楽しみながら街の盛り上げに協力したい」と話した。

 企画の収益の一部は、浅虫ねぶたの運行費用に役立ててもらう方針という。事務局を務めるMOSPAあさむし共創プラットフォームの栗原久和社長は「ねぶた本番の夏だけでなく、四季を通じて浅虫に観光客を呼び込めるような仕掛けを考えている。地域ねぶた継続のためにも力になれれば」と語った。

ホテル内の展示ねぶたを鑑賞するツアー客=18日、浅虫さくら観光ホテル

ホテル内のねぶたを鑑賞するツアー客=18日、ホテル秋田屋

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