新型コロナウイルスの感染拡大を機に、3年半にわたって岩木山をテーマに油絵を描いてきた青森市浪岡の画家石澤暁夫(あけお)さん(61)が10月末、目標の300点目となる作品を完成させた。「県内随一の散歩道」と賞する自宅近くの丘から眺めた岩木山の風景を描いた120号の大作で、石澤さんは「現場の空気感を感じてもらえるような作品。達成感がある」と満足げ。22日からはJR浪岡駅併設の交流施設「あぴねす」で100点を厳選した記念展を開く予定で、「これからもライフワークとして岩木山の絵を描きたい」と意欲を口にした。
石澤さんが岩木山の作品を描くようになったのは2020年春、新型コロナの影響で本業の広告美術業の仕事が激減したことがきっかけ。将来に不安を感じ、しばらく絵を描く気持ちになれなかったというが、時間を持て余してアトリエを整理した際、描きかけの岩木山の絵が何枚も出てきたことで再び絵筆を握った。
「肩の力がすうっと抜けて、不安が溶けていくようだった」と石澤さん。夢中で描くうち、気がつけば3カ月で50枚というペースで作品を完成させていた。
同じ頃、ねぶた師の竹浪比呂央さんが疫病や病魔をはらう鬼神「鍾馗(しょうき)」を題材にした自作のねぶた絵を1日1枚、100日間連続で写真共有アプリ「インスタグラム」にアップしていることを知り、自分も岩木山の絵を100枚描いてみようと決意。その目標は半年ほどで達成したが、展覧会の来場者から“おらほの岩木山”も描いてほしい-とリクエストされるうちに作品が増え、いつしか300点を目指すようになった。
今年5月には299点目までの新作約50点を並べた展覧会をあぴねすで開催。300点目の制作は5月末から取りかかったものの、制作期間は当初完成予定の6月末から大幅に延び、約5カ月間という過去最長の日数を費やした。
季節や時間の移ろいだけでなく、あふれ出る感情を一枚の絵に表現するため、キャンバスを何度も現場に持ち出し、描き直したという石澤さん。ようやく完成した力作は、真昼の陽光と緑あふれる津軽平野の向こうに残雪の岩木山、手前の丘にはタンポポやススキが描かれ、春から秋にかけての風景が混然一体となって迫る。
石澤さんはこの3年半を振り返り、「岩木山を描くたびに畏敬の念が強まった」と強調。300点の油絵は順次お披露目する予定といい、「多様な岩木山の魅力を感じ、楽しんでもらえたら」と力を込めた。
※「石澤暁夫岩木山百景300記念展」は22日から12月3日まで、青森市浪岡交流センター「あぴねす」で。入場無料。
石澤さんが岩木山の作品を描くようになったのは2020年春、新型コロナの影響で本業の広告美術業の仕事が激減したことがきっかけ。将来に不安を感じ、しばらく絵を描く気持ちになれなかったというが、時間を持て余してアトリエを整理した際、描きかけの岩木山の絵が何枚も出てきたことで再び絵筆を握った。
「肩の力がすうっと抜けて、不安が溶けていくようだった」と石澤さん。夢中で描くうち、気がつけば3カ月で50枚というペースで作品を完成させていた。
同じ頃、ねぶた師の竹浪比呂央さんが疫病や病魔をはらう鬼神「鍾馗(しょうき)」を題材にした自作のねぶた絵を1日1枚、100日間連続で写真共有アプリ「インスタグラム」にアップしていることを知り、自分も岩木山の絵を100枚描いてみようと決意。その目標は半年ほどで達成したが、展覧会の来場者から“おらほの岩木山”も描いてほしい-とリクエストされるうちに作品が増え、いつしか300点を目指すようになった。
今年5月には299点目までの新作約50点を並べた展覧会をあぴねすで開催。300点目の制作は5月末から取りかかったものの、制作期間は当初完成予定の6月末から大幅に延び、約5カ月間という過去最長の日数を費やした。
季節や時間の移ろいだけでなく、あふれ出る感情を一枚の絵に表現するため、キャンバスを何度も現場に持ち出し、描き直したという石澤さん。ようやく完成した力作は、真昼の陽光と緑あふれる津軽平野の向こうに残雪の岩木山、手前の丘にはタンポポやススキが描かれ、春から秋にかけての風景が混然一体となって迫る。
石澤さんはこの3年半を振り返り、「岩木山を描くたびに畏敬の念が強まった」と強調。300点の油絵は順次お披露目する予定といい、「多様な岩木山の魅力を感じ、楽しんでもらえたら」と力を込めた。
※「石澤暁夫岩木山百景300記念展」は22日から12月3日まで、青森市浪岡交流センター「あぴねす」で。入場無料。