「石狩丸型客載車両渡船」の写真が並ぶ企画展

 青函連絡船の貨物船を客室付きの貨客船に改造した「石狩丸型客載車両渡船」の企画展が、青森市の青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸で開かれている。羊蹄丸元3等航海士の川村修(しゅう)さん(64)=青森市出身、宮城県在住=が就航直後の1982(昭和57)年に撮影した石狩丸、檜山丸の写真など31点を展示。3日は川村さんの記念講演会が行われ、連絡船ファンら約20人が技術の粋を集めた異色の船について学んだ。

 川村さんは2008年度からほぼ毎年、就航中の青函連絡船の姿をさまざまな視点から捉えた写真展と記念講演会を開催。連絡船の歴史や船舶業界に与えた技術的意義を分かりやすく解説し、人気を博している。

 今年のテーマは、青函トンネルの開業を数年後に控えた1980年代前半、耐用年数超えで廃船となる連絡船の穴を埋めるため、既存の「渡島丸型車両渡船」(貨物船)の後部甲板上に客室構造物を増設した「石狩丸型客載車両渡船」。

 川村さんは、函館ドック(現函館どつく)で行われた改造工事の様子や客室増設後の設備などを紹介。救命用のスパイラル式降下脱出装置や売店区画に設置されたアルミ製シャッターなど当時最先端の設備が数多く設置されていたことを説明しながら、「現在のカーフェリーやRORO船(フェリー型貨物船)のモデルになっていると言っても過言ではない」と強調した。

 写真展は来年3月31日まで。問い合わせは八甲田丸(電話017-735-8150)へ。

青函連絡船「石狩丸型客載車両渡船」について講演する川村さん

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