御経塚遺跡から出土した土偶に見入る来場者

 八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館で、夏季特別展「北陸の晩期縄文文化」が開かれている。縄文時代晩期(約3千年前)、東北の亀ケ岡文化の影響を受けながら独自の文化を生み出した北陸地方の縄文人の暮らしや、東北の亀ケ岡文化との交流の様子について、金沢市周辺で出土した資料を中心に紹介する。9月3日まで。

 同展は、八戸市の是川遺跡などで栄えた亀ケ岡文化とその周辺を比較するシリーズの第2弾。「器でたどる北陸の晩期」「北陸縄文人の植物利用」「祈りのかたち」など五つのテーマに沿って、石川県の中屋サワ、米泉、御経塚の各遺跡と、是川遺跡などから見つかった国重要文化財を含む土器、土偶、木製品など114点を展示している。

 同県周辺では縄文晩期、御経塚式、長竹式といった4種類のタイプの土器が作られ、亀ケ岡文化の大洞式に見られる文様が多く取り入れられている。一方、立体的で手足がある東北の遮光器土偶に対し、北陸は平らで板状の土偶が多い。妊婦を表現したような形状ではないため、子孫繁栄などへの祈りとは違った目的で作られたとみられている。

 同館の佐藤ちひろ主事兼学芸員は「同時代の出土品でも、地域によって形や使用目的などが違う点を比較して見てほしい」と話す。

 特別展に関連して同館は26日、福島県文化振興財団文化財副主査の布尾和史氏を講師に、考古学講座を開く。問い合わせは同館(電話0178-38-9511)へ。

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