3年ぶり春呼ぶ摺り おいらせで百石えんぶり


 青森県おいらせ町に春を呼ぶ伝統芸能「百石えんぶり」が15日、3年ぶりに披露された。百石地区の若宮八幡宮境内で百石えんぶり組の約40人が演目を奉納し、豊作を祈願した。

 百石えんぶりは五戸地方の「どうさいえんぶり」の流れをくみ、200年近い歴史があるとされる。テンポが速く、烏帽子(えぼし)を激しく振るのが特徴。また、竹の子が土から顔を出すように体を揺する子どもたちの演目「竹の子舞」は他に見られない。

 境内では太夫たちの勇壮な摺(す)りに続き、竹の子舞や大黒舞、大漁を願うえびす舞などが演じられた。境内には多くの見物客が訪れ、寒さを忘れて見入っていた。

 コロナ禍でここ2年は中止。今年も期間を3日から1日に短縮した。今月に入って経験者を中心に音合わせ程度の稽古を積んだが、初心者や後継者を育てる芸能教室は断念した。

 百石郷土芸能保存会会長で百石えんぶり組を率いる小向政治さん(65)は「3年の空白は長かった」と嘆いたが、「次世代につなげたい一心。観衆の笑顔が励みになった」と話した。

 17日は八戸えんぶり一斉摺りに参加する。

3年ぶりに摺りを奉納する百石えんぶり組の太夫たち

百石えんぶり特有の演目「竹の子舞」を披露する子どもたち

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