六ケ所のファミマ ライダー憩いの場に

ツーリング客でにぎわうファミリーマート六ケ所平沼店。広い駐車場がバイクでいっぱいになった=21日

 青森県六ケ所村にあるコンビニエンスストア「ファミリーマート六ケ所平沼店」が、県内外からツーリングで訪れるライダーの憩いの場になっている。店長の沼田憂さん(38)=東北町=らスタッフが、飲み物の提供などライダー限定のサービスを始めたところ、口コミで評判が広まり、週末は広い駐車場がバイクで埋まることも。沼田さんは「ライダーが何度も店に足を運んでくれるのがうれしい」と話す。

 「きょうは暑いですね。冷たいもので一休みしてください」。21日午前、店に立ち寄ったライダーに沼田さんがアイスコーヒーやアイスを振る舞った。

 コンビニは下北半島に通じる幹線道路沿いにあり、夏になるとツーリング客が次々に訪れる。仲間と近くのキャンプ場に向かう途中に立ち寄った三沢市の自営業浪岡千佳子さん(48)は「前回店を訪れた時もサービスしてもらいました。また来たくなります」とにっこり笑った。

 大型バイク・ハーレーダビッドソン愛好家団体の岩澤廣嗣さん(51)=岩手県九戸村=は「大型バイクの団体客は、駐車場を占有するから-などと店から敬遠されることもある。こんなに歓迎してもらえるなんて」と喜んだ。店内のイートインスペースの壁には、スタッフが撮影したライダーの記念写真がびっしり。周辺の名所を紹介する手書きの観光案内もあり、スタッフが道を教えることも。「最近は、泊地区にある名所のトトロ岩を訪れるライダーが多い」(沼田さん)といい、分かりにくい場所にあるため、壁に張った手書きの地図で説明している。

 沼田さん自身も250ccのバイクに乗るライダーだ。店のイートインスペースの活用策を考える中で昨年7月、自身のツーリング経験を踏まえ、ライダーの休憩に役立ててもらおうと発案。記念写真を撮ったり、飲み物を購入するライダーにレジ横で扱う揚げ物などを贈呈するサービスを始めた。コーヒーやアイスを振る舞うイベントも定期的に行っている。

 六ケ所にライダーの「聖地」がある-。そんな情報が交流サイト(SNS)を通して徐々に広まり、「一度は行ってみたい」(岩澤さん)とライダーが足を運ぶようになった。別々に立ち寄った客同士がバイク談議で盛り上がって意気投合するなど、新たな交流を生む場にもなっている。

 21日、コンビニは終日ライダーでにぎわい、店内に張られた記念写真は700枚を超えた。「特に県外から来るライダーに、青森の良いところをたくさん知ってもらいたい。これからも、おもてなしを頑張っていく」と沼田さん。今後は、各地のファミリーマートの店主らに声をかけるなどして連携し、ライダーをもてなすネットワークをつくりたいという。

ライダーの記念写真を紹介する沼田店長(右端)。天井の「てるてる坊主」は、ライダーの安全と好天を願いスタッフと作った

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