弘前ねぷたガイド本製作急ピッチ/路上社

「弘前ねぷた速報ガイド2022」の表紙デザインイメージ(路上社提供)

 弘前ねぷたまつりの実質的なガイドブックとして市民に定着している「弘前ねぷた速報ガイド」の編集作業が急ピッチで進んでいる。ねぷたの文献登場300年の記念すべき今年は発行元・路上社(青森県弘前市紺屋町)にとっても通巻40冊の節目。毎年ぎりぎりの製作進行を余儀なくされるが、代表の安田俊夫さんは今年も8月1日の祭り開幕に間に合うよう腐心している。

 「団体の電話番号は?」「絵師が誰なのか情報が入っていない」。祭り本番まで11日に迫った21日、中土手町の弘前市まちなか情報センターで安田さんは、8人の撮影スタッフと入念に打ち合わせを重ねていた。

 速報ガイドは合同運行に出るねぷた全台の鏡絵(表面)、見送り絵(裏面)、団体メンバーの写真を載せるのが最大の売り。スタッフが手分けをし、多い日は1日に二十数団体分の写真を撮影する。細かなスケジュールを組んで臨むが、少しでも遅れれば撮影作業全体に影響が出ることに。ねぷたの制作が遅れている団体があれば、本の完成時期に直接影響する恐れがある。毎年綱渡りのような進行だ。

 ガイドの発行を始めたのは1983年。当時、その年に出るねぷたを一挙に見ることができる資料はなかった。安田さんは「自分は出版の人間。ないなら作ろう」と思い立った。最初はモノクロだったが、20年前に完全カラー化した。

 毎年苦労して作り続けるのは「バックナンバーをそろえている熱心なファンがいるから」。恒例の絵師紹介のページで「あなたにとってねぷたの師匠は?」との質問に、若手絵師が「ねぷた速報ガイド」と答えたのを読んで感動したこともあった。

 ただ感傷に浸っている暇はない。「締め切り」という現実が刻々と近づいている。印刷を担当する新和印刷(同市城東北)の営業担当・花田隆良さん(59)は「原稿は25日までにはもらわなければいけない」とくぎを刺す。ただ、完全なものを作りたい-という安田さんの気持ちもよく理解しているつもりだ。

 安田さんは「これまでよく続いてきたもの。今年も最後まで頑張りますよ」と気を引き締めた。速報ガイドはA4判、税込み800円。津軽地域の書店やコンビニエンスストアなどで販売予定。

撮影スタッフと入念に打ち合わせをする安田さん(左から2人目)=21日、弘前市まちなか情報センター

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