27の「置山車」展示へ/八戸三社大祭・代替行事


 八戸三社大祭運営委員会(塚原隆市会長)は22日、新型コロナウイルスの影響により山車運行を含む神社行列が中止となった今年の三社大祭について、伝統継承を目的とした代替行事の概要を発表した。例年の祭り期間である7月31日~8月4日、八戸市庁前市民広場を会場に、全27山車組がそれぞれ制作した据え置き型の「置山車」を展示。虎舞や神楽、駒踊など三社大祭の行列に参加している郷土芸能とお囃子(はやし)の発表の場も設け、山車制作技術や演技を次世代に継承しながら、地域のにぎわい創出を目指す。

 同運営委が22日に八戸市のユートリーで開いた総会で、行事内容が承認された。三社大祭の中心となる神事は8月1日に神明宮、2日には長者山新羅神社がそれぞれ行列の神輿(みこし)渡御中止または休止の奉告祭を開催。2日にはおがみ神社が中日例祭を執り行う。

 代替行事では、はちのへ山車振興会が共同制作中の「移動型・組立式山車」のお披露目運行を7月31日、市中心街で行う。八戸小唄の優雅な踊りを披露する「華屋台」も花を添える予定で、中心街で同日行われる「はちのへホコテン」と連携してにぎわい創出に取り組む。運行時間と経路は未定。行事とは別に、同振興会は7月下旬~8月上旬、組立式山車を「マチニワ」に展示する。

 各山車組が制作する置山車は、台座の大きさが1.8メートル四方で、人形を含めた高さは約3.5メートルとなる見込み。「(仮称)おまつり体験パーク」は八戸青年会議所主催で、例年実施する「おまつり広場」の規模を縮小して開催する計画だ。

 同運営委は代替行事開催に市の補助金を活用する。今後、警察など関係機関と協議し、行事の具体的な内容を決める。塚原会長は「観光客を呼ぶためではなく、地元のにぎわいを取り戻すための行事にしたい。関係者が魂を込めて作った山車を市民の皆さんに見てもらいたい」と語った。

※「おがみ神社」の「おがみ」は、雨かんむりと「龍」の間に「口」が横に三つ

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