海峡サーモン 豪雨乗り越え水揚げ本格化

むつ市大畑町で開かれた海峡サーモンの即売会=15日

 青森県むつ市大畑町沖で北彩漁業生産組合が養殖する「海峡サーモン」の水揚げが本格化している。幼魚を育てる地元の養魚場が昨夏の豪雨災害で被災したため、今年の水揚げは前年比2割減の約80トンにとどまる見通しだが、濱田勇一郎組合長は「雨の影響を乗り越えて、水揚げを迎えることができた。津軽海峡で育ったおいしい海峡サーモンを味わってほしい」と話している。

 海峡サーモンは、淡水で2年間育てたニジマスを買い取り、津軽海峡に設置したいけすで毎年秋から8カ月ほど育てる。昨年8月の大雨で地元の山口養魚場が被災し、一時は幼魚の入手が危ぶまれたが、同組合は県外から買い取る幼魚を増やすなどして対応した。

 濱田組合長によると、海峡サーモンは津軽海峡の荒波にもまれることで身が引き締まり、さっぱりとした程よい脂のりになる。ロシアのウクライナ侵攻などの影響で餌代や資材費が高騰しているものの、今年は価格を据え置いて1匹(約2~3キロ)3千~5千円程度で販売するという。

 15日、同組合が同市大畑町の加工施設で開いた今年最初の即売会には、朝早くから来場者が詰めかけ、行列を作った。会場には60センチほどに育った海峡サーモンが並び、用意した約300匹が完売した。即売会は水揚げが終わる7月中旬ごろまで毎週日曜日に開く予定。

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