佐井の築150年の古民家を再生、交流拠点に

リノベーションで居心地のいい空間に生まれ変わった「古民家カネシチ+」

 江戸時代後期から明治時代初期の間に建てられた、築約150年と伝わる青森県佐井村佐井の古民家が、「古民家カネシチ+(プラス)」として生まれ変わり、2日から利用を始めた。村内外の人が気軽に集まる拠点やコワーキングスペースとして活用を呼びかけていく。

 古民家は当初、辻儀八氏が所有していたとみられる。その後の所有者の本家の屋号が「カネシチ」だったが、この家も「カネシチ」と呼ばれてきたという。生活用品などを扱う「コメイチ」(同村)が所有者の許可を得て、昨年11月~今年2月、リノベーションを実施。2階の床や天井の一部を剥がして開放感を持たせたほか、シェアキッチンを設けるなどした。村の補助金を活用した。

 2日、現地で行ったオープニングセレモニーには関係者約20人が参加。設計した北海道函館市の建築家富樫雅行さん(42)が、ウサギをモチーフにしたくぎ隠しや立体格子状の梁(はり)組みといった家の特徴を挙げ「飛騨高山の陣屋跡にあるもので、北前船を通して建設技術が伝わったものとみられる」などと説明した。

 小さい頃、この家に住んでいた同村の川岸延子さん(82)は「誇らしい気持ち。近所の人たちとお茶を飲みに集まりたい」と笑った。コメイチの奥本太朗代表取締役(50)は「いろんな人に使ってもらい、新しいことを生み出すきっかけになってほしい」と話した。可能であれば2階に宿泊できるよう、さらにリノベーションをして移住体験やワーケーションへ対応できるようにする。

 利用料は1人当たり3時間500円、月5千円(ともに税込み)。利用時間は午前9時~午後7時とする予定。問い合わせはコメイチ(電話0175-38-4108)へ。

正面を向いたウサギをモチーフにしたくぎ隠し

佐井村

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