青森の人工海浜「あおもり駅前ビーチ」利用開始

22日に利用を開始し、水遊びを楽しむ親子連れらが訪れた「あおもり駅前ビーチ」

 青森県が2015年度から青森市の青森駅前に整備していた人工海浜が完成し、22日、一般客の利用が可能となった。海浜近くのねぶたの家ワ・ラッセ西側広場で完成式典が行われ、名称が「あおもり駅前ビーチ」(通称・A-BEACH)に決定したと発表。夏空の下、家族連れらが早速水遊びを楽しんだ。

 あおもり駅前ビーチは、イベントで監視体制が整っている場合などを除き、基本的に遊泳禁止。今後は県が選定した民間事業体「TEAM CISOLA(チームシソラ)」がにぎわい創出に向けた催しを開催するほか清掃を行う。

 A-FACTORYに隣接する同事業体管理棟には公共トイレを備えており、カフェもオープンする予定。

 完成式典で、青山祐治副知事が「水生生物の豊かな海づくりに寄与するとともに、子どもから大人までが集うにぎわいの場として、末永く愛されるよう、さまざまな取り組みを進める」との三村申吾知事のあいさつを代読。小野寺晃彦青森市長や青森県選出の国会議員らが祝辞を述べた。

 式典後にビーチは一般開放された。同市の佐藤佑哉ちゃん(4)が「海の水が冷たくて楽しい」と水遊びに夢中。母親の史子さん(37)は「近所に子どもが遊べる海ができてうれしい。自然遊びができるのでいい」と話していた。

 県によると、周辺はかつて青函連絡船の発着場で、入り江の形状となっていたことから、浮遊ごみの滞留や悪臭に悩まされていた。このため、県は周辺環境の浄化・再生、親水空間の創出を目指し整備に着手。再利用材や砂などで埋め立て、干潟約7300平方メートルを完成させた。総事業費は約7億円。

▼海辺の体験、活動に笑顔/開放記念イベント

 「あおもり駅前ビーチ」(通称・A-BEACH)が一般開放された22日、同所ではシーカヤックの体験会や海の環境について学ぶワークショップなど、さまざまなオープニングイベントが開催された。

 シーカヤック体験会は、青森市のNPO法人「あおもりみなとクラブ」(渡部正人理事長)の会員と青森海上保安部の職員らがインストラクターとなって実施。参加した子どもたちは、救命胴衣の着用法、基本的な操作方法を教わり、さっそうとこぎ出した。

 初めてカヤックを体験した小学4年の野崎紗依さんは「インストラクターの指示が分かりやすかったのでとても楽しめた。またビーチに来たい」と笑顔を見せていた。

 この他、同市のNPO法人「あおもり若者プロジェクト クリエイト」(久保田圭祐理事長)は、人気テレビ番組に出演している海洋環境専門家の木村尚さんを招き、高校生や大学生を対象としたワークショップを開催。参加者約10人が、海中のごみ拾いをしたり、岩を積み上げて人工の潮だまりの造成に取り組んだ。

 クリエイトは、駅前ビーチを生かしたまちづくりを考えるワークショップを全4回計画しており、22日はその初回。学んだことを踏まえイベントなどを企画し、ビーチの活性化や地域のにぎわい創出につなげる。

シーカヤックの操縦方法の指導を受ける子どもたち=22日、あおもり駅前ビーチ

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