十和田湖畔で「十和田古道」調査報告会

五戸道を中心に調査の成果を地元で披露した十和田古道報告会

 「霊山十和田の世界はスケールが大きかった」。青森県十和田市の十和田湖伝説の伝え方を考える会(伝説の会)は12日、同市休屋にある「十和田湖観光交流センターぷらっと」で十和田古道調査報告会を開き、発見した「元禄の十和田山新道」など調査の成果を地元住民らに報告。注目されている「歴史文化観光」を十和田湖観光にも生かしていきたいと強調した。

 伝説の会はNPO法人十和田歴史文化研究会(小笠原カオル理事長)と共同で、2019年11月から20年8月まで計10回、古道調査を行った。十和田御堂(現在の十和田神社)に向かう五つの参詣道のうち、中世以来の本道・五戸道を中心に調査した。

 報告会は昨年11月に行った「古道フォーラム」の内容を伝説の会の若手を中心に再構成。当初、2月中旬の予定だったが、暴風雪の影響で延期していた。

 調査では子ノ口橋近くの石碑に記録された「元禄の十和田山新道」が同市の月日山一帯に残っていることを確認した。伝説の会の中川一樹会長は「月日山には深く掘り下げた『堀道』が残り、霊場の宗教施設をはじめ、お堂や祠(ほこら)の跡など、かつて参詣客でにぎわった霊山十和田時代を彷彿(ほうふつ)とさせる『歴史と文化の道』といえる」と指摘。同市惣辺牧野に近い鳥居長根の遙拝(ようはい)所からは南北八甲田~十和田外輪山の一大パノラマが広がっているものの、一帯では風力発電施設の建設が計画されていることから「景観に配慮した計画に見直してほしい」と強調。参加者から計画を危惧する質問が寄せられた。

 報告会では森田一成副会長がかつて古道のルート上にあったとみられる「追分石(おいわけいし)」などについて報告。斉藤利男弘前大学名誉教授が助言した。

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