塩田さん、名和さんの新作2点 常設展示に/十和田市現美

塩田さんの新作「水の記憶」を見る来場者

 十和田市現代美術館(鷲田めるろ館長)は1日、同館初の常設展示入れ替えに伴い新たに設置された美術家・塩田千春さんの作品「水の記憶」を公開した。彫刻家・名和晃平さんの寄託作品「PixCell-Deer#52」の展示も開始。来館者が現代美術の醸し出す空間の魅力に浸っていた。

 塩田さんの作品は、長さ5.6メートルの古い舟と、総延長約8.4キロに及ぶ赤い毛糸が部屋全体に立体的にあやなす空間芸術。血管を思わせる赤い糸は「体内を循環する小宇宙の象徴」であり「人と人をつなぐもの」と、塩田さんが3月の来館時に語っている。

 鑑賞した秋田市の小林美樹さん(56)は「すごい迫力。糸の繊細なイメージを持ちながら、部屋全体にぶわっと広がる様子に力強さも感じる」と話した。

 名和さんの作品は、シカの剥製を大小さまざまな透明球体で覆い、情報社会における「対象物の見え方」を表現。現美初の寄託作品で2023年9月まで展示。

 北里大学獣医学部生の長女の引っ越しで十和田市を訪れていた横浜市の渡部唯佳さん(48)は「球体の大きさが全部違うし、その奥に剥製が見える感覚も不思議」と顔を近づけて見入っていた。

 12月からは、アルゼンチンの作家レアンドロ・エルリッヒさんの体験型空間芸術「建物-ブエノスアイレス」が登場する予定。

名和さんの新作「PixCell-Deer#52」を鑑賞する来場者

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