十和田「鳩正宗」の地酒 「食べにおいでよ!」第29回


 1899(明治32)年創業十和田市唯一の酒蔵「鳩正宗」へ。地元の水と地元の米、地元の杜氏(とうじ)・蔵人の技とチームワークによるメイドイン十和田の地酒にこだわっているとのこと。蔵人の長嶺卓さん(43)に、仕込み作業真っ最中の酒蔵を案内してもらいました。

 「どうぞ、うちの蔵の地下から汲(く)み上げている仕込み水です。八甲田・奥入瀬の伏流水で、きれいな軽めの軟水です」。飲み干して秒で吸収する感覚。水のおいしさからして違います。

 蔵の中は蒸気に包まれ、お米が香る。「蒸米」「製麹」と呼ばれる酒造工程の一部と、醪(もろみ)の発酵を促すという「櫂(かい)入れ」を撮影。地元出身の杜氏・佐藤企さん(59)と蔵人の皆さんの真っすぐなまなざしと、日本酒を愛するグループ「和酒女子」の新酒試飲会のもようはぜひ動画でご覧ください。

 さて。帰宅して、お土産に分けていただいた小瓶を開ける。和酒女子の皆さんが試飲した12月搾りたての季節限定生酒「鳩正宗 特別純米酒 直汲み」。一口目ですうっと長嶺さんの言葉がよみがえってきた。

 「地酒は地方食文化の結晶であるという先代社長の言葉通り、季節に沿った酒造りを続けることに価値があると思っています。奥入瀬の自然や環境、伏流水が守られてきたことに感謝しています」

■問い合わせは鳩正宗(電話0176-23-0221/直汲みなどは特約店取り扱い)

【櫻田百合子市長から】イルミネーション、氷瀑、冬物語に地酒
 十和田市の冬は観光イベントが盛りだくさん。19日からは「アーツ・トワダ ウインターイルミネーション」、20日からは奥入瀬渓流にて「氷瀑ツアー」が始まります。1月30日からは十和田湖畔休屋にて「十和田湖冬物語」が開催され、かまくらの中で地酒やカクテルを飲むことができる「かまくらバー」や「冬花火」、屋台村「雪あかり横丁」などをお楽しみいただけます。

 奥入瀬渓流の伏流水と十和田市産の酒米を使った日本酒は、お土産や帰宅後のお楽しみにぴったりです。皆さま、ぜひ冬の十和田市へお越しください。

【こちらもチェック】19日から光の現美アート広場
 十和田市現代美術館周辺のアート広場を光で彩る「アーツ・トワダ ウインターイルミネーション」は19日から来年2月22日まで(点灯時間は午後4時半~通常9時)。12月23日~1月5日は午後11時まで点灯する。

 ライトアップされた氷瀑(ひょうばく)などが楽しめる「奥入瀬渓流氷瀑ツアー」は12月20日~3月1日の金曜~日曜に行われる。「十和田湖冬物語」の開催日は1月30日~2月23日の金曜~月曜と2月11日(水曜・祝日)。

 詳細は市HP(https://www.city.towada.lg.jp/kanko/event/)、氷瀑ツアーHP(https://frozen-oirase.com/)

奥入瀬の伏流水と地元の酒米で醸す鳩正宗の地酒

720ml入り商品(右から)「鳩正宗 特別純米酒 直汲み」1898円、「クリスタルオブスノー純米生酒」1815円、「佐藤企 特別純米酒 しぼりたて生酒」1980円=12月上旬、十和田市

蔵人の長嶺卓さん

櫻田百合子市長

©十和田奥入瀬観光機構

十和田市

青森
「幻の穴堰」閉鎖 先人の志、後世に伝える手段模索/十和田
青森
「すぱげ亭」オーナーシェフ 十和田で個展
青森
東北新幹線・新青森-八戸、開業15周年 3駅で記念カード配布
青森
原点回帰の空間に/新渡戸記念館改修計画
青森
十和田湖・休屋北駐車場、冬季運営を試行