名物居酒屋「馬酔木(あしび)」復活/三戸

そろいのエプロンを身にまとった(左から)前経営者の大沢さん、新経営者の舘さん、手伝いに当たる舘さんの長女真白さん=14日、三戸町二日町

 青森県三戸町の名物居酒屋として40年以上親しまれ、昨年10月に閉店した「馬酔木(あしび)」が4月から再開することになった。「寂しい」「もう一度食べたい」。常連の惜しむ声にも後押しされ、かつて店を手伝った女性がのれんを受け継ぎ、復活の一歩を踏み出す。

 1978(昭和53)年9月。岩手県などで料理人として働いてきた大沢萬治さん(75)が、妻イネ子さん(71)と共に店を開いた。葉を食べた馬が酔ったようにふらふらとなってしまう「馬酔木」という木の読み方を気に入り、そのまま店名に選んだ。町の中心部と立地が良く、大沢さんの人柄に引かれ、週末や祭りの日には未明まで多くの人でにぎわった。

 しかし2020年9月。大沢さんはひどい目まいに襲われ3日間入院し、1週間ほど店を閉めた。もともと不整脈の持病持ち。いったん再開したものの体調は戻らず、再び休業を余儀なくされた。「こうしたことを繰り返してはお客さんに失礼」。後継ぎもおらず、10月24日を最後に店を畳むことにした。松尾和彦町長をはじめ閉店を惜しむ人たちの寄せ書きが、一冊のノートにびっしりとつづられた。

 「店の灯を絶やしたくない」。町で生まれ育ち、今は町内で調理師として働く舘秀子(しゅうこ)さん(44)が間もなく手を挙げた。二十歳前から7年近く、店で働いた縁があった。店を辞めた後も祝い事などがあるたび食事に来てはくつろぐ「家のような存在」だった。「新しい経営者として継ぎたい」と掛け合ったところ、大沢さんは快諾。再び店に明かりがともることになった。

 店の名物はドジョウの唐揚げ、シソの葉入りギョーザ、5段階の辛さが選べるラーメン。特にラーメンに思い入れのある人が多く、県境をまたいだ岩手県二戸市からも「(最も辛い)5辛が懐かしい」といった声が2人の耳に入る。再開の予定日は4月3日。新型コロナウイルスの感染予防策を万全にし、当面は舘さんだけでなく大沢さんも厨房(ちゅうぼう)に立って支えていく。

 大沢さんの記憶では店を開いた頃、町内には20~30軒の居酒屋があった。だが経営者の高齢化や経営難から廃業する店が増え、三戸町商工会によれば現在5軒まで減った。「後継者不足に悩む人が多い中、いろいろな苦労が詰まった店の歴史が続いていくのはうれしい」と大沢さん。舘さんは「コロナの影響でシャッターを下ろす店が増え、町は寂しさを増す。多くの人に愛される店にし、元気を与えられたら」と話した。

馬酔木で人気の高かったラーメン

店内の看板。ラーメンの辛さを5段階で選べるのが売り。「鉄に火がつくほど辛い」ことから別名「鉄火ら~めん」と呼ばれた

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