十和田現美、開館以来初の展示入れ替えへ

塩田千春さんの「新作のためのスケッチ」

 十和田市現代美術館は9日、開館以来初となる常設展示の入れ替えと展示室の増築、寄託作品の展示を行うと発表した。4月1日から、大阪府出身、ドイツ在住の美術家塩田千春さんが同館のための新作インスタレーション(空間芸術)を展示し、国内の公立美術館で初の常設作品となる。また、同日から2023年9月まで、京都府在住の彫刻家名和晃平さんの寄託作品を展示する。12月からは、アルゼンチン出身のアーティスト、レアンドロ・エルリッヒさんの作品が新たな展示室で常設展示される。

 塩田さんは19年に東京・森美術館で開かれた個展の来場者が66万人を超えるなど、国際的に活躍し注目を集める作家。展示は船と糸による作品のシリーズで、作品の一部には十和田湖で使用されていた船が使われる。作品の入れ替えに伴い、現在展示しているキム・チャンギョムさんの「メモリー・イン・ザ・ミラー」を撤去し、収蔵する。

 また、これまで倉庫として使っていた館内のスペースを改修し、シカの剥製を透明の球体で覆った名和さんの代表作「PixCell-Deer#52」を寄託作品として展示する。

 12月からは増設する新たな展示室で、エルリッヒさんの作品「建物-ブエノスアイレス」を展示。鏡の効果を使った体験型の大規模なインスタレーションとなる。市によると、場所は建物北側の駐車場の一角。

 同館の鷲田めるろ館長は東奥日報取材に「常設展示中心の現代美術館であり、作品を新しくしていくことが必要だと思っている。塩田さんと名和さんは現美の重要なテーマである『自然と人間との関係』に意識を向けている。日本の中堅で、世界的にも重要な作家。エルリッヒさんの作品は、観客が作品の中に入れるようなインスタレーションとなる。ぜひ実際に足を運んで見てほしい」と話した。

名和晃平さんの作品「PixCell-Deer#52」2018,mixed media h.2173 w.1896 d.1500mm photo:Nobutada OMOTE│Sandwich Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE

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