「まさか現実に」/ドラマ・感染爆発 台本今も

ドラマの台本。時間とともに表紙はボロボロになってしまったがタイトルの「感染爆発」は残る

 2008年1月、新型ウイルスの感染拡大をテーマにしたテレビドラマが全国に放送された。撮影は青森県深浦町岩崎地区の森山海岸で行われ、協力した地元の山本光治(みつはる)さん(61)方にはドラマの台本が今も残っている。コロナ禍の中、山本さんは台本を手に「まさか感染拡大が現実になるとは…」と複雑な表情を浮かべる。

 ドラマは、NHK総合で放送された「感染爆発~パンデミック・フルー」。「フルー」はインフルエンザの略で、NHKのホームページによると、日本海に面した寒村で新型インフルの患者が相次いで確認され、政府は根絶に乗り出すが、ウイルスは信じられないスピードで東京にまん延した-というストーリー。三浦友和さんや麻生祐未さんらが出演した。

 山本さんによると、森山海岸は、ウイルスが最初に確認された架空の「与田村」で登場。撮影当時、風評を懸念して協力に否定的な見方もあったが、山本さんら森山地区の住民は、撮影拠点となった集会所を貸し出すなど全面協力した。

 台本が残っている経緯ははっきりしないものの、山本さんは、自身が経営する民宿「汐ケ島(しおがしま)」に泊まったスタッフが、撮影協力のお礼のように置いていった-と記憶している。

 森山海岸は、日本海の荒波が岸壁に激しくぶつかる景勝地でさまざまなドラマや映画の撮影舞台となってきた。山本さんはコロナ禍の前から、台本を見せながら宿泊客に地域を案内しており、表紙は時間とともにボロボロに。「感染爆発」と書かれたタイトル部分は辛うじて残っている。

 ドラマについて「新型コロナを予想して作られたよう」と驚く妻恭子(やすこ)さん(62)。山海の幸が自慢の民宿も、コロナで打撃を受けた。町内では北東北3県と山形県の客限定で、3月21日まで最大5千円引きの宿泊キャンペーン中。山本さん夫妻は「国内外はコロナで大変な状況だが、町や森山海岸の景観の良さを多くの人に知ってほしい」と話している。

ドラマ撮影の舞台となった深浦町の森山海岸

ドラマの台本を手に複雑な表情を浮かべる山本さん(右)と恭子さん

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