「津軽の刀剣」一堂に、弘前藩歴史館で企画展

初代弘前藩主・為信が豊臣秀吉から贈られた、螺鈿細工が施された太刀の鞘「糸巻太刀拵」

 青森県弘前市の高岡の森弘前藩歴史館で、国重要文化財2振りを含む多数の刀などを展示した企画展「津軽の刀剣」が行われている。刀剣と、関連する歴史が分かる記録書等を併せて展示、初代弘前藩主・津軽為信が豊臣秀吉から贈られた、螺鈿(らでん)細工が施された太刀の鞘(さや)「糸巻太刀拵(いとまきたちごしらえ)」など、国重文2点については太刀とは別に飾った「拵」を間近で見ることができる。同展は9月22日まで。

 1876(明治9)年の廃刀令を受けて高照神社に奉納されたものなど、展示されている太刀、刀、脇差し、短刀、槍、よろい、唐櫃(からびつ)など38点を展示している。照明を抑えた展示室内には、為信が所持した友成作の太刀が飾られ、糸巻太刀拵には豊臣家の桐紋。4代目・信政が所有していた真守(さねもり)作の太刀の糸巻太刀拵には、金具に津軽家の杏葉(ぎょうよう)牡丹紋がちりばめられている。

 21(文政4)年、江戸から帰国途中の第9代藩主・寧親(やすちか)を狙った暗殺未遂事件に関わった元盛岡藩士2人の首をはねた刀には、刃こぼれが確認できる。さらに、弘前藩お抱え刀工の手によるものや、近代の名匠・二唐國俊作の2振りも展示している。

 同歴史館の鶴巻秀樹学芸員は同市について「県内はもとより、北東北でも有数の刀剣地帯」と説明。弘前公園に来た足で同企画展を訪れた青森市の会社員下山聡(あきら)さん(57)は「友成作の糸巻太刀拵の螺鈿が素晴らしかった。太刀と刀の違いなど、知らないことも多く、ためになった」と話した。

館内には多数の刀剣が転座されている

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