【連載うまい森・味めぐり】ニンニク生かし銘柄豚/十和田

十和田ガーリックポークを使った、しゃぶしゃぶ。豚肉特有のにおいが少なく、シンプルな調理法でもうま味が楽しめる=十和田市「YUMiO」

 日本一のニンニク産地である青森県で、最も生産量が多いのが十和田市。作付面積は約330ヘクタール(2015年農林業センサス)に上り、県全体の4分の1を占める。地元名産のニンニクを畜産の分野でも活用し、誕生した銘柄豚が「十和田ガーリックポーク」だ。

 耕畜連携という言葉がある。稲わらや畑作物を畜産に利用したり、畜産農家から出る堆肥を田んぼや畑で活用したりすること。古くからの馬産地で畜産業が発達し、三本木原台地の開拓で誕生した農地が広がる十和田市には、耕畜連携に適した条件が備わっている。

 「豚の飼料にニンニク粉末を混ぜたら、脂の甘味が増した。包丁の汚れが少なくなり、研ぎの回数も激減しました」。こう話すのは、同市でガーリックポークを生産する「みのる養豚」の音道彰次・工房長だ。ニンニクを与えることで豚が健康になり、抗生剤の使用を減らせる効果もあるという。

 ガーリックポークの精肉や加工品は道の駅「とわだ」などで販売されるほか、市内飲食店でも提供されている。

 同市東三番町の中華料理店「YUMiO」のオーナーシェフ和田真佳さんは「チャーシューや酢豚、角煮など中華のメニューにもガーリックポークは合い、ギョーザもジューシーだと好評。この冬は、しゃぶしゃぶも出す予定です」と語る。

▼「新たな観光の魅力発信」/小山田久 市長


十和田市長・小山田久氏

 十和田市の主力は第1次産業です。コメ、ニンニクなどの野菜、牛・豚肉の生産量は県内トップクラス。輸入豚肉が増える中で産地として生き残るため、自慢のニンニクを餌に加え品質と味にこだわっているのがガーリックポークです。

 また十和田湖、奥入瀬渓流という全国に誇る観光地の魅力を高めるため「十和田湖ひめます」の通年供給を可能にする急速冷凍庫の整備、「日本の貴重なコケの森」に認定された奥入瀬の自然観察、冬の氷瀑(ひょうばく)ツアーなど、新たな魅力発信にも取り組んできました。

 台湾を中心とした外国人客も増えており、整備中の国道103号青〓山(あおぶなやま)バイパスが開通すれば、さらに十和田湖・奥入瀬観光の魅力が高まるものと期待しています。
※〓は、「村」の「寸」が「無」

▼幻想体験、冬の奥入瀬/来月10日から氷瀑ツアー


ライトアップされた奥入瀬渓流「雲井の滝」(資料写真)

 十和田市が冬季観光の充実、強化に向けて2017年度にスタートさせた新たな観光イベントが奥入瀬渓流の「氷瀑(ひょうばく)ナイトツアー」だ。来年1月10日から3月15日まで、幻想的にライトアップされた冬の奥入瀬渓流をツアー専用バスが走る。

 市中心街と渓流を往復する3時間余りの行程。プレミアム期間(1月25日~2月11日)は、プロジェクションマッピングによる特別演出も行う。問い合わせは十和田電鉄観光社(電話0176-23-6102)へ。

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