大衆食堂からイタリア料理店へ/青森・油川地区

菊谷栄の生家の隣にあった頃の「大浜食堂」。1970年ごろの撮影とみられる(今富士枝さん提供)

 今年で青森市との合併80周年を迎えた旧油川町地区の中心街の一角に、50年以上前から続く飲食店がある。かつては「大浜食堂」の名でにぎわった大衆食堂だったが、現在は代替わりをして、おしゃれなイタリア料理店「アデッソ」に。現店主の今佳明さん(50)は「地元だけでなく、油川の外からも食べに来てもらえるような店を目指している。イタリア料理を通じて地元を盛り上げることができたら」と意気込む。

 地元住民によると、大浜食堂は50年以上前には営業を始めており、油川の中心街を流れる天田内川沿い、劇作家・菊谷栄の生家の隣にあった。今さんの母・富士枝さん(79)らが切り盛りし、事業所への弁当の出前なども行っていた。

 当時の油川は、市役所支所や自衛隊連絡所などの公的施設のほか、工場や商店が密集しており、昼時になると客がひっきりなしにやって来て、大にぎわいだったという。店の建物は長屋形式で、奥が住居スペースになっていて、今さんは幼い頃に「土間で遊んでいた記憶がある」と振り返る。

 その後、大浜食堂は昭和50年代後半の天田内川の拡幅工事の影響で、200メートルほど離れた場所へ移転。東京で西洋料理の修業を積んだ佳明さんが2003年、「アデッソ」としてリニューアルオープンさせた。

 油川は中世から栄えた港町ということもあり、熊野宮、浄満寺、明誓寺など歴史的な見どころが多い。商店も長い歴史を持つ店が多いが、近年は後継者の問題などで閉店する店が続出。大浜食堂のように名前を変えながらも今日まで存続する店は少なくなっている。

 今さんは「昔ながらの店が少しずつなくなっていくのは寂しいこと。商売を長く続けるのは大変だが、アデッソがあることで油川に人が集まるようにできたらうれしい」と語った。

「アデッソ」店主の今佳明さん。大浜食堂からの流れを受け継ぎながら「油川を盛り上げたい」と意気込む

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