肉食恐竜のフクイラプトル

 20世紀、ゴジラやガメラなど、日本には世界に誇る「怪獣」たちがいました。この怪獣たちは、世界の子どもたちに刺激を与え、恐竜研究者になった人もいるほどです。しかし、21世紀に入り、日本からは、本物の「恐竜」が誕生します。その中心となったのが福井県でした。

 福井県では、1989年から継続的に恐竜化石発掘調査を行っており、今までに5種類の恐竜に学名(生物学的な正式な名前)がつけられており、青森では5種類とも展示されます。まずは、肉食恐竜のフクイラプトル。全長4メートルほどで、前足に鋭く大きな爪があるのが特徴です。同じ獣脚類では、全長2メートルのフクイベナートルがいます。歯には、肉食恐竜に見られるギザギザ(鋸歯(きょし))がないので、昆虫などを食べていたか、雑食だったと考えられています。

 植物食恐竜では、馬のように面長のフクイサウルスとコシサウルスが知られています。顎には歯がぎっしり並んでおり、硬い植物を口の中で小さく切り刻むことができました。また、竜脚類のフクイティタンは、全長10メートルの大型の植物食恐竜ですが、竜脚類の中では小型で、大人になっていない可能性もあります。

 現在の日本では、この他、石川県から1種、兵庫県から1種の恐竜が命名され、つい最近までは日本の恐竜は7種類でした。しかし、北海道で発見された恐竜にカムイサウルスという学名がつけられ、8種類目が誕生しました。

 日本の恐竜研究は、まだまだこれからです。その一部をぜひ、本展にてご覧ください。

 (福井県立恐竜博物館主任研究員・柴田正輝)

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「青森大恐竜展2019」(東奥日報社主催、福井県立恐竜博物館特別協力、福井新聞社企画協力)は9月21日から11月4日まで、青森市の東奥日報新町ビルNew’sホールで開催する。観覧料は一般・大学生1400円(前売りおよび20人以上の団体入場の際は1200円)、中高生900円(同700円)、4歳~小学生500円。問い合わせは東奥日報社事業局事業部(電話017-718-1135)へ。

植物食恐竜のフクイサウルス

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