動かせ弘前城天守400トン 21日からイベント

天守曳戻し工事が進む弘前城=19日

 青森県弘前市は21~28日、同市の弘前公園で、弘前城天守曳(ひき)戻し工事を盛り上げるイベント「ひっぱれ!けっぱれ!弘前城」を開く。目玉は22~26日に行う、人力で重さ約400トンの天守を引っ張る体験。会期外の29、30日を含め、市内外の約4100人が綱を引き、約5メートル動かす。江戸時代以前に建てられ、当時のまま残る「現存天守」は弘前城を含めて全国に12城あり、天守が曳屋されたのは弘前城天守だけ。市民が天守を引く体験は2015年の曳屋工事以来2回目で、全国でも例がない。

 6月から始まった工事では、天守を3回に分けて約77メートル移動させ、11月中に元の天守台へ着座させる予定。現在は1次移動として約18メートル動かした状態となっている。人力で天守を引っ張る体験は2次移動(約37メートル)の一環。

 イベント初日の21日はオープニングセレモニーを行い、2次移動の初陣を飾る「天守曳初め」では、来賓が天守を支える鉄骨に取り付けた綱を引っ張る。セレモニーには常陸宮妃華子さまがご臨席し、津軽家15代当主の津軽晋氏とともに、曳初めのほか、津軽の伝統芸能や武芸をご覧になる。その後は、300機のドローンが市に関連する形や風景を描くショーのほか、約240発の打ち上げ花火で開幕を祝う。

 22~26日には市民やふるさと納税寄付者らが天守を引っ張る体験に参加。このほか、週末の22、23日は、修理完了後初めて石垣を間近で見られる「内堀内覧」や、春と秋に中堀で営業している観光舟の西堀での初めての運航、水遊びができるウオーターパークや綱引き大会など多彩なイベントが楽しめる。24日から、天守を引っ張っているような写真を撮影できるスポットも開放する。

 市公園緑地課の早坂謙丞(けんすけ)課長は「世紀の大事業である111年ぶりの弘前城天守曳戻しを市民に体感してもらい、次の世代に価値を伝えていきたい。イベントにも足を運んでほしい」と話した。

 天守は石垣修理のため、2015年に仮の天守台へ曳屋されていた。天守の移設で地表に現れた天守台下などの発掘調査を終え、17年4月から約1年半かけて石垣の石を慎重に解体。21年6月からは積み直し工事に移り、24年12月に石垣の修理を完了した。

弘前市

青森
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