奥入瀬渓流歩道 全面再開/8月に大雨被害

復旧した奥入瀬渓流の遊歩道の散策を楽しむ観光客ら。遊歩道脇の一部では、大雨被害による倒木などが残されたままとなっている=10日午後1時46分、銚子大滝付近

 青森県は10日、8月の記録的な大雨で被災した奥入瀬渓流沿い(十和田市)の遊歩道の通行を全区間で再開した。通行止めが続いていた子ノ口-雲井の滝区間(約6キロ)が同日午後から通行可能となった。約3週間で工事を終え、観光客が増える紅葉シーズン前に通行規制を解除した。

 同日までに子ノ口-雲井の滝区間の土砂、流木を撤去し、崩れた歩道を修繕。区間内の2カ所については土のうで歩道を補強する応急工事を行い、安全に歩行できる状態に整備した。この2カ所は年度内に本格復旧する予定。

 県観光政策課によると、被害状況が不明の場所があったため、年内の全区間復旧は難しいとしていたが、想定していたほど被害が大きくなかったという。作業人員を増やしたこともあって紅葉シーズン前に工事を終えることができた。宮下宗一郎知事は10日、報道陣に「安全に散策できる環境が整ったので、多くの人に訪れてほしい」と述べた。

 通行止め区間では午後1時の規制解除に合わせ、バリケードが撤去された。倒木や土砂など大雨被害の痕跡が歩道脇の一部に残る中、銚子大滝や九段の滝などの名所では散策を楽しむ観光客の姿が見られた。

 神戸市から訪れた多木俊博さん(72)、幸代さん(68)夫妻は「規制解除後に来ることができてラッキーだった。流れが少し濁っていたのは残念。天気に恵まれたときにまた来たい」と語った。

 奥入瀬渓流沿いでは8月19日から21日にかけ、平年の8月1カ月分を超える大雨に見舞われ、全14キロの遊歩道のうち11キロ、71カ所で土砂の流入や倒木が確認された。石ケ戸-惣辺区間(約2キロ)、雲井の滝-石ケ戸区間(約3キロ)の通行は8月中に再開されていた。


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