
昨年9月に創業の地・青森県板柳町での酒造りを再開した竹浪酒造店で、移転後初の出荷に向けた作業が大詰めを迎えている。仕込み、搾り作業が4月で終了し、老朽化していた酒蔵の改修も一段落した。5月末を目標に再出発第1弾となる生原酒と濁り酒を出荷予定で、17代目蔵元・杜氏(とうじ)の竹浪令晃(よしあき)さん(52)は「米や気候の変化もあり、全く同じではないが、原点に近い良い酒に仕上がった」と手応えを語る。
4月24日、薄暗くひんやりとした酒蔵。竹浪さんの指揮で、従業員数人が搾り作業に取りかかった。槽(ふね)と呼ばれる年代物の木製道具に、もろみが入った袋を丁寧に詰め、圧力機を上に乗せると、白濁した酒が管から流れ出した。長さ約3メートル、幅約70センチ、深さ約1メートルの槽には1袋9キロのもろみが300袋以上入っており、3日間かけてじっくりと搾る。生原酒としての出荷分以外は、火入れした後に1~2年かけて熟成させ、味を引き出していくという。
昨今若者を中心に人気の高いフルーティーな冷酒とは対照的に「熟成したかん酒を食事と一緒に楽しんでほしい」というのが竹浪酒造店のコンセプト。竹浪さんは「搾りたての酒はうちの本流ではないが、熱かんや炭酸割りなど自由に楽しめるのも魅力」と語った。
同社は「岩木正宗」「七郎兵衛」などの銘柄で知られる。江戸時代初期の1645(正保2)年に創業し、現存する県内最古の酒蔵だった旧会社が、約370年余り板柳で酒造りを営んだ。しかし、2020年3月に旧会社が破産。つがる市稲垣町の長内酒造店の酒蔵を借りて新会社を設立し、事業を引き継いだ。
その後、故郷の水や慣れ親しんだ環境を求め、同社は板柳町に戻ることを決断した。再始動に当たり、木造築100年の酒蔵の改修も実施。白木と白壁の美しい外観が町の目抜き通りから見ることができる。
「蔵に販売スペースを作り、酒蔵見学など町の観光にも協力していきたい」と竹浪さん。青森県より暖かい他県の酒造りなども学んでいくといい、「酒造りのスタンスは変わらない。(温暖化など)自然環境の波が激しい中で、どう酒を造っていけるか」と意欲的だ。
4月24日、薄暗くひんやりとした酒蔵。竹浪さんの指揮で、従業員数人が搾り作業に取りかかった。槽(ふね)と呼ばれる年代物の木製道具に、もろみが入った袋を丁寧に詰め、圧力機を上に乗せると、白濁した酒が管から流れ出した。長さ約3メートル、幅約70センチ、深さ約1メートルの槽には1袋9キロのもろみが300袋以上入っており、3日間かけてじっくりと搾る。生原酒としての出荷分以外は、火入れした後に1~2年かけて熟成させ、味を引き出していくという。
昨今若者を中心に人気の高いフルーティーな冷酒とは対照的に「熟成したかん酒を食事と一緒に楽しんでほしい」というのが竹浪酒造店のコンセプト。竹浪さんは「搾りたての酒はうちの本流ではないが、熱かんや炭酸割りなど自由に楽しめるのも魅力」と語った。
同社は「岩木正宗」「七郎兵衛」などの銘柄で知られる。江戸時代初期の1645(正保2)年に創業し、現存する県内最古の酒蔵だった旧会社が、約370年余り板柳で酒造りを営んだ。しかし、2020年3月に旧会社が破産。つがる市稲垣町の長内酒造店の酒蔵を借りて新会社を設立し、事業を引き継いだ。
その後、故郷の水や慣れ親しんだ環境を求め、同社は板柳町に戻ることを決断した。再始動に当たり、木造築100年の酒蔵の改修も実施。白木と白壁の美しい外観が町の目抜き通りから見ることができる。
「蔵に販売スペースを作り、酒蔵見学など町の観光にも協力していきたい」と竹浪さん。青森県より暖かい他県の酒造りなども学んでいくといい、「酒造りのスタンスは変わらない。(温暖化など)自然環境の波が激しい中で、どう酒を造っていけるか」と意欲的だ。
