
昭和から平成まで青森市の観光を長くけん引し、2013年に惜しまれつつ閉鎖した青森市横内の観光施設「ねぶたの里」が今春、屋外のイベント会場として復活する。12年ぶりの敷地開放を決意した土地・建物を所有する「おおびらき温泉」(本社青森市)の代表取締役・髙坂洋子さんは「さまざまな分野で挑戦する人を応援し、再び青森を盛り上げる場所にしたい」と意気込んでいる。
当面は年2、3回程度のペースで、音楽やキャンプ、キッチンカー、コンピューターゲームなどの腕を競う「eスポーツ」などのイベントへの貸し出しを想定している。
ねぶたの里は1977年5月に「青森県初のねぶた観光施設」として営業を始めた。山林に囲まれた11万平方メートルを超す広大な敷地を持ち、大型ねぶた10台程度の常設展示やねぶた運行体験ショーが目玉だった。アスレチックやバーベキューなど家族で楽しめるアウトドアイベントも人気で、多くの市民や観光客を楽しませてきた。
しかし、団体客や修学旅行客が年々減少。2011年の東日本大震災で大打撃を受け、13年12月に事業停止に追い込まれた。
当時、髙坂さんの夫・繁光さんの会社は、ねぶたの里に米を卸す取引業者だった。一部の建物の建設も手がけていたことから結びつきは強かった。事業停止前に会社で、ねぶたの里の土地を取得し、経営を支援していた経緯もあった。
繁光さんのねぶたの里への思いは強かった。事業停止後には競売で建物も取得。「地元の人が気軽に来て自然を満喫できる場所。にぎわいを取り戻してほしい」との一念で、草刈りなどの手入れを続け、再開する企業の出現を待っていた。しかし繁光さんは23年に76歳で死去した。
繁光さんの会社(現在はおおびらき温泉に統合)は髙坂さんが、繁光さんの遺志とともに引き継いだ。現地をたびたび訪問するうちに、今も現地を訪れる人がいて、音楽イベントなど開催場所としての需要があることを知った。
期待に背中を押される形で知人らの協力を得ながら昨年、施設の修繕を開始。10月には音の反響などを調べるため、音楽愛好者や知人らを招いてプライベートなイベントを開いた。髙坂さんは「みんな楽しんでくれて、音も敷地外まで響かず、良かった」と手応えを感じ取った。
2026年度以降はかつてのレストラン棟を改修し、最大4店舗が営業できるオープンキッチンを設け、希望者に営業してもらう計画もある。
今も敷地内には、高さ約11メートルのねぶた観音が残っている。青森ねぶたに関わる場所として提供する構想もある。ただ名称は「ねぶたの里」のままにするかどうか、まだ決まっていないという。
「インバウンド(訪日客)も取り込みながら、市民も気軽に楽しめる場所にしたい。自然を生かし、文化を発信するねぶたの里を令和の時代に合わせて再生し、青森の新しい夢を実現できれば」
イベント開催などの問い合わせは同社(電話017-738-3662)へ。
当面は年2、3回程度のペースで、音楽やキャンプ、キッチンカー、コンピューターゲームなどの腕を競う「eスポーツ」などのイベントへの貸し出しを想定している。
ねぶたの里は1977年5月に「青森県初のねぶた観光施設」として営業を始めた。山林に囲まれた11万平方メートルを超す広大な敷地を持ち、大型ねぶた10台程度の常設展示やねぶた運行体験ショーが目玉だった。アスレチックやバーベキューなど家族で楽しめるアウトドアイベントも人気で、多くの市民や観光客を楽しませてきた。
しかし、団体客や修学旅行客が年々減少。2011年の東日本大震災で大打撃を受け、13年12月に事業停止に追い込まれた。
当時、髙坂さんの夫・繁光さんの会社は、ねぶたの里に米を卸す取引業者だった。一部の建物の建設も手がけていたことから結びつきは強かった。事業停止前に会社で、ねぶたの里の土地を取得し、経営を支援していた経緯もあった。
繁光さんのねぶたの里への思いは強かった。事業停止後には競売で建物も取得。「地元の人が気軽に来て自然を満喫できる場所。にぎわいを取り戻してほしい」との一念で、草刈りなどの手入れを続け、再開する企業の出現を待っていた。しかし繁光さんは23年に76歳で死去した。
繁光さんの会社(現在はおおびらき温泉に統合)は髙坂さんが、繁光さんの遺志とともに引き継いだ。現地をたびたび訪問するうちに、今も現地を訪れる人がいて、音楽イベントなど開催場所としての需要があることを知った。
期待に背中を押される形で知人らの協力を得ながら昨年、施設の修繕を開始。10月には音の反響などを調べるため、音楽愛好者や知人らを招いてプライベートなイベントを開いた。髙坂さんは「みんな楽しんでくれて、音も敷地外まで響かず、良かった」と手応えを感じ取った。
2026年度以降はかつてのレストラン棟を改修し、最大4店舗が営業できるオープンキッチンを設け、希望者に営業してもらう計画もある。
今も敷地内には、高さ約11メートルのねぶた観音が残っている。青森ねぶたに関わる場所として提供する構想もある。ただ名称は「ねぶたの里」のままにするかどうか、まだ決まっていないという。
「インバウンド(訪日客)も取り込みながら、市民も気軽に楽しめる場所にしたい。自然を生かし、文化を発信するねぶたの里を令和の時代に合わせて再生し、青森の新しい夢を実現できれば」
イベント開催などの問い合わせは同社(電話017-738-3662)へ。


