
漫画「ふらいんぐうぃっち」の作者で青森県弘前市在住の石塚千尋さんが、同市の久渡寺に伝わる幽霊画「返魂香之図(はんごんこうのず)」(円山応挙作)から着想を得て幽霊画を描いた。江戸期に墨で描かれたモノクロの原作に対して、背景と色を使い幽霊画に新たな風を吹き込んだ。17日、石塚さんは同寺を訪れ作品を奉納し「自分の作品を通して、日本画の基盤を作った応挙の作品が広まってくれればうれしい」と話した。作品は6月13~15日に同寺で一般公開される。
応挙は江戸時代後期に活躍した日本を代表する画家。返魂香之図は弘前藩家老森岡主膳元徳(もりおかしゅぜんもとのり)が、亡くなった妻と妾(めかけ)の供養のため応挙に描かせたものといわれ、足のない幽霊画の元祖として有名だ。天明4(1784)年に元徳が同寺に寄贈した。
石塚さんは、返魂香之図のモデルといわれる応挙の妻が同寺の石段で振り向く様子を描いた。里帰りした霊が天に帰る途中、大切な人に会った瞬間をイメージしたという。喜びと悲しみが含まれた複雑な表情が印象的だ。
石塚さんは「応挙の幽霊画を現代ならどう描くか考えた」と話し、同寺の須藤光昭住職は「江戸から令和に思いが受け継がれた」と喜んだ。
同寺は返魂香之図が奉納されてから240年の節目となった昨年から、年に1度、現代作家や絵師に新たな幽霊画を描いてもらう取り組みを始めた。石塚さんが2作目。
公開日の6月13日は旧暦5月18日で、応挙の妻の命日に当たる。
応挙は江戸時代後期に活躍した日本を代表する画家。返魂香之図は弘前藩家老森岡主膳元徳(もりおかしゅぜんもとのり)が、亡くなった妻と妾(めかけ)の供養のため応挙に描かせたものといわれ、足のない幽霊画の元祖として有名だ。天明4(1784)年に元徳が同寺に寄贈した。
石塚さんは、返魂香之図のモデルといわれる応挙の妻が同寺の石段で振り向く様子を描いた。里帰りした霊が天に帰る途中、大切な人に会った瞬間をイメージしたという。喜びと悲しみが含まれた複雑な表情が印象的だ。
石塚さんは「応挙の幽霊画を現代ならどう描くか考えた」と話し、同寺の須藤光昭住職は「江戸から令和に思いが受け継がれた」と喜んだ。
同寺は返魂香之図が奉納されてから240年の節目となった昨年から、年に1度、現代作家や絵師に新たな幽霊画を描いてもらう取り組みを始めた。石塚さんが2作目。
公開日の6月13日は旧暦5月18日で、応挙の妻の命日に当たる。