青森県の県南地方に春を呼ぶ伝統行事「八戸えんぶり」が17日、八戸市で開幕した。同市や周辺地域から34組が参加。初日は市中心街で全えんぶり組が参加する「一斉摺(ず)り」を行い、摺りや祝福芸で豊年満作を祈った。

 同日午前7時、長者山新羅神社では、一番札を手にした妻神えんぶり組を先頭に、各組が続々と摺りを奉納した。同10時40分、市中心街で、号砲を合図に一斉摺りがスタート。各組の太夫がにぎやかなおはやしに合わせて烏帽子(えぼし)を力強く振り、勇壮な摺りで沿道を熱気で包んだ。色鮮やかな衣装に身を包んだ子どもたちがかわいらしい動きで松の舞や大黒舞などを披露すると、観客からは大きな拍手が送られた。

 一斉摺りを見ていた同市の清水里美さん(72)は「数年ぶりに見たけれど、やっぱり良かった。子どもが出ていた時のことを思い出した」としみじみと語った。初めてえんぶりを見たという新潟県の小竹晴希さん(25)は「烏帽子などの装束はほかの地域で見たことがない。田植えの動作をモチーフにしていると聞いて納得できた」と声を弾ませた。

 主催する八戸地方えんぶり保存振興会によると、初日の人出は18万人。初日が土曜日だった昨年より5万9千人減ったものの、今年と同じく月曜日だった2020年の15万6千人より2万4千人増加した。会期は20日まで。18日は史跡根城の広場や「SG GROUPホールはちのへ」(市公会堂)での公演などが行われる。

34のえんぶり組が八戸市の中心街に登場、観客の前で勇壮な舞を披露した「一斉摺り」=17日午前10時45分、三日町

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