神武食堂の歴史をアートで/つがる

天井には担々麺を食べるしゃこちゃんの塗り絵がずらりと張られている

 今年11月に創業100周年を迎えた青森県つがる市の老舗「神武(じんたけ)食堂」で20日、食堂の魅力や歴史、裏話を多彩なイラストやポップで紹介する「スーパーラブ♡神武食堂展」が始まった。地元の園児たちが描いた塗り絵もたくさん飾って節目を盛り上げている。展示は本年度末まで。

 青森市のイラストレーター豊川茅(ちえ)さん(33)が、同食堂4代目店主の神祥仁さん(56)らと懇意にしている縁で節目を祝おうと発案。豊川さんと、八戸市のグラフィックデザイナー花田耕助さん(33)でつくるイラスト・デザインユニット「つらいデザイン」が制作を担当した。

 食堂の壁には、1924(大正13)年の創業時は店名がなかったこと、高校生が通学で食堂前を通る朝に軍艦マーチの曲を流していた時代があったこと、二度火災に見舞われたことなどをポップにして掲示。看板メニューの担々麺については、神さんが90年代にメニュー化した当初はなかなか浸透しなかった裏話を絵とともに紹介している。歴代店主の肖像画もある。

 豊川さんは、つがる市の亀ケ岡石器時代遺跡で出土された遮光器土偶(愛称・しゃこちゃん)が担々麺を食べている塗り絵を作り、地元幼稚園などに配って園児に描いてもらった。集まった色とりどりの約120点も天井に張っている。

 「食堂の歴史は地域の歴史でもあり、美談だけでなくつらい出来事も展示に反映させた」と豊川さん。今後、手拭いなど関連グッズを用意するという。神さんは「100年の節目は後にも先にもないことだけにありがたい。大勢の園児たちの協力も頂き、楽しい企画になった」と喜んでいる。

 午前11時~午後7時(スープなどがなくなり次第終了)の営業時間中は観賞自由。火曜定休。

ユニークなイラスト、ポップなどで神武食堂の歴史や歴代店主、名物の担々麺を紹介する店内。写真は神店主(左)と豊川さん

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