八甲田登山道 規制を全面解除

規制解除後、山中に入っていく登山客。道の脇にクマへの注意を呼びかける看板が立つ=21日午前7時半ごろ、酸ケ湯仙人岱方面登山口

 青森県は21日、ツキノワグマによる人的被害を受けて閉鎖した八甲田登山道3路線14.5キロの規制を解除した。14日に解除した分と合わせ、登山道が約3カ月ぶりに全面的に開放された。県はホイッスルや鈴を持ち歩くなどクマ対策をした上で入山するよう呼びかけている。

 青森市荒川の酸ケ湯温泉に近い酸ケ湯仙人岱方面登山口では午前7時ごろ、作業員が入山禁止の看板を撤去し、規制線を取り外した。入り口には「複数人で音を鳴らしながら歩きましょう」などと注意を喚起する新しい看板を立てた。

 この日開放されたのは八甲田登山線の酸ケ湯-大岳間、谷地・八甲田大岳線に加え、青森市が管理する田代平・高田大岳線。14日に先行して規制を解除した14.4キロを含め、登山道の全路線が通行できるようになった。規制解除を前に、山岳団体などが草木の刈り払いや施設点検など準備を進めていた。

 解除時刻に合わせて訪れた東京都の会社員、高山陽治さん(44)は、日本百名山制覇に向け、残すのが八甲田と岩木山のみという。「小説や映画の舞台になった八甲田に登るのを楽しみにしていた」と話し、雨にぬれた登山道へ入っていった。

 入山規制が始まったのは6月28日。県観光政策課の小橋弘子課長代理は「解除が紅葉シーズンに間に合い、うれしく思う。協力してくれた登山ガイドや山岳団体の皆さんに感謝している」と語った。

 入山者に対し県は▽ホイッスルや鈴、クマよけスプレーを持ち歩く▽クマを呼び寄せる食べ物やごみを放置しない▽登山道から外れて森林に入り込まない-ことなどを求めている。

登山道入り口に張っていたロープを取り外す作業員=21日午前7時ごろ、酸ケ湯仙人岱方面登山口

青森市

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