ツアー客に貴重な資料を披露する川村さん(左端)=新むつ旅館

 青森県八戸市のNPO法人「みなとオアシス八戸」(理事長・駒井庄三郎八戸酒造社長)は今年から、東日本大震災の影響で立ち消えになった観光ツアーを、8年の時を経て実現させた。同市小中野~湊町地区の歴史的建造物など3カ所を巡るもので、インバウンド(訪日外国人旅行)誘致などを見据えて踏み切った。幻のツアーの“復活”で、関係者はさらなる地域振興に期待を寄せている。

 同ツアーは国登録有形文化財「新むつ旅館」と、県内初の景観重要建造物指定「八戸酒造」、八戸屋形船を巡る。東北新幹線全線開業を控えた2010年11月、同法人系列のNPO法人「青い海」が主催し、八戸観光コンベンション協会(当時)の市内発着ツアー「八戸まちぐる」の10コースの一つとして試験開催した。

 10コースで一番人気のコースだったため、11年春からの本格実施を見据えていた。しかし直後に大震災が発生。屋形船が流され、八戸酒造も浸水被害に見舞われた。新むつ旅館は大きな被害はなかったが、復興に伴う業者の宿泊で観光客を受け入れられず、ツアー計画は頓挫した。

 しかし18年、新むつ旅館を訪れた観光客が当時製作された同ツアーのポスターを見て、みなとオアシス八戸に“再開”を提案。同団体はインバウンドや下北、津軽方面からの同市への観光客が増えている現状を踏まえ、実施を決めた。

 初回の16日、下北交通(むつ市)のツアー客20人が参加した。新むつ旅館では、おかみの川村紅美子さん(80)の案内で、かつて遊郭だった館内に残る貴重な明治期の建築様式や内装、「遊客帳」や写真などの資料に見入った。夫婦で参加したむつ市の八木橋清三さん(68)は「どこか懐かしい雰囲気で、手すりなどの細かい作りが素晴らしい」と感心していた。川村さんは「震災から復活して行われることが感慨深い。湊町の歴史や良さを伝えられるよう、ツアーが長く続いてほしい」と話した。

 ツアーに同行した、みなとオアシス八戸運営協議会事務局長で屋形船運行を手掛ける「ブルーカンパニー」の副島勝雄社長(60)は「歴史ある建物は人気も高く、楽しんでもらえた。今後も改良を加えつつ八戸の魅力を伝えたい」と話した。

 同ツアーの問い合わせは、みなとオアシス八戸(電話0178-35-4415)へ。

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