27日に出店部分(建物右側)を再開させる銅像茶屋=24日

 十和田八幡平国立公園内の県道青森田代十和田線沿いにあり、経営難などのため2018年シーズンを最後に閉鎖していた食堂兼土産物店「銅像茶屋」(青森市)が、27日から建物正面にある出店部分の営業を再開する。店を営んでいた千葉勝幸さん(79)=同市駒込=の親族がおでん、立ち食いそば、豚串を提供する。自ら店を手伝うつもりの千葉さんは6年ぶりの再開に「この年齢になってから、再び営業できるとは思わなかった。店を準備していると懐かしさがこみ上げてくる」と喜びを隠せないでいる。

 建物内部の食堂の営業や土産物販売は行わないが、食事用に茶屋を開放する。出店は土日曜と祝日に加え、ゴールデンウイーク、青森ねぶた祭やお盆期間、紅葉の時期の午前10時~午後3時に営業する。八甲田雪中行軍遭難事件(1902年)の資料を集めた併設の「鹿鳴庵(ろくめいあん)」の再開も検討していく。

 銅像茶屋は千葉さんの父が昭和40年代、雪中行軍で奇跡的に助かった後藤房之助伍長の銅像近くに建築・開店。現在の建物は87年に完成した。八甲田観光の拠点としての役割を果たしてきたが、次第に客足が遠のき、千葉さん自身が高齢になったことや建物の老朽化も重なって閉鎖した。

 スキーヤーや観光客から再開を求める声が上がり、これまで数人が引き受け手として名乗りを上げたが、冬期間に営業できないことや改修経費などがネックとなり、再開できずにいた。

 2019年には鹿鳴庵の臨時開館イベントを開いたが、その後千葉さんが茶屋に立ち入ることはほとんどなかったという。

 今年に入り、かつて銅像茶屋を手伝っていた千葉さんの親族が出店部分の営業に意欲を示し、千葉さんも快諾。千葉さんや親族らが17日から茶屋内部の掃除や発電機の設置、仕込みなどに追われている。

 千葉さんは「懐かしい顔との再会が楽しみ。面白がりながら、手伝っていく」と笑顔で語った。

営業再開に向け、準備に励む千葉さん=24日

公開再開が検討されている鹿鳴庵

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