鈴木正治作品200点引き継ぎ、自宅に画廊

鈴木さんの彫刻、銅版画などの作品が並ぶギャラリーに立つ小川さん

 青森県十和田市の小川展子さん(68)が自宅の離れをギャラリーにし、青森市出身の彫刻家・画家の鈴木正治さん(1919~2008年)の作品を展示している。生前の鈴木さんと親交があったことなどから、鈴木さんの家族や関係者らから計約200点の作品を託された。「見に来た人が鈴木さんの作品を心に留めてくれたらうれしい」と話している。

 鈴木さんは彫刻だけでなく絵画や版画などさまざまな分野での表現に挑戦し、亡くなるまで青森市を拠点に制作を続けた。

 小川さんの「Gallery North Light」では、15~16畳ほどのスペースに、手のひらに載るほどの大きさの彫刻作品から大型の銅版画まで大小さまざまな作品約100~150点を展示している。鈴木さんの代表作「ウゴカズ」の水墨画や彫刻、木の中に球を閉じ込めたような彫刻「デラレナイ」をはじめ、ねぶたや角巻など青森の風土に根差したテーマの作品も並ぶ。

 鈴木さんとの出会いは1980年代、学芸員の資格を持つ小川さんが、実家である七戸町の青岩寺で開いていた現代美術の作品を紹介するギャラリーに鈴木さんが訪れたことがきっかけ。鈴木さんは何度もギャラリーを訪れ、82、83年には境内の石で彫刻作品を制作した。小川さんは「純粋に作品を作ることが幸せだと伝わってくるような人で、作品も温かい」と鈴木さんの人柄を振り返る。

 その後も鈴木さんの展示を見に行くなど交流は続いた。小川さんは鈴木さんの妹・明子さん(82)=青森市=や長年にわたり鈴木さんの活動を支え、作品の収集も行ってきた齋藤葵和子さん(80)=同、東京都で鈴木さんの作品を紹介するギャラリーを開いていた的野玲子さん(77)とも出会い、親交を深めた。

 2017年秋ごろ、的野さんから、自分と明子さん、齋藤さんが高齢になったため、3人が所有する鈴木さんの作品計約200点を託したい-と打診された。「簡単に決心できなかった」(小川さん)が、周りの美術関係者や夫から後押しされ、引き受けることを決意。20年秋ごろからギャラリーを始めた。

 明子さんは「いい人が引き継いでくれたと3人で喜んでいる」と話す。都合が合わず、まだ小川さんのギャラリーを訪れたことはないが、「誰かの目に触れる機会があるのはいいこと。小川さんは知識と美術に関するセンスがあるので、しっかり展示してくれていると思う」と語った。

 展示の入れ替え、作品の修復の手配などは全て小川さんが行っている。小川さんは「鈴木さんと3人が喜んでくれるよう、いい形で作品を引き継いで紹介したい」と力を込めた。

 ギャラリーは予約制。見学無料。予約、問い合わせは電話0176-24-2983、メールnon1123ogw@yahoo.co.jpへ。

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 <すずき・まさはる 彫刻家・画家。青森市生まれ。弘前工業学校(現・弘前工業高校)機械科卒業。1950年以降、日本アンデパンダン展に油彩、彫刻作品を多数出品。主な活動に「岩手町国際石彫シンポジウム」参加、「鈴木正治/ロベール・ボスケ展」(東京日仏学院ギャラリー、95年)など。県総合社会教育センターにある石彫「わ」をはじめ、公共施設や病院などにも作品が設置されている>

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