県内五つの美術施設によるアートフェスの企画概要が発表された記者会見=6日午後、東京都千代田区

 美術を通じて青森の魅力を発信しようと、県内五つの公立美術施設が「AOMORI GOKANアートフェス2024」と題し、各館の特色を生かした展覧会を来年4~9月の同時期に開く。東京都内で開かれた6日の会見で実行委員長の杉本康雄県立美術館長は「回を重ねることで地域活性化や若者の定住につなげたい」と狙いを語った。

 青森市の県立美術館と青森公立大学国際芸術センター青森、弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館による連携プロジェクトは2020年度にスタート。フェス開催は今回が初めて。

 通常のフェスと異なり全体を統括するディレクターを置かず各館の学芸員が地域の視点を大事にしながら検討してきた。テーマは「つらなりのはらっぱ」。美術施設を特別だけど日常とも地続きの「はらっぱ」と想定。各館が緩やかに連携し、多様性を尊重しながら思い思いの活動を展開していくイメージだという。

 期間中、写真家・映画監督の蜷川実花氏の展覧会(れんが倉庫美術館)、自然と人間の関係を見つめる「野良になる」(十和田市現代美術館)などが開かれる。各館が展示にとどまらずパフォーマンスなど多様なプログラムを提供する。

 アートを起点に自然や食などの文化を楽しめる周遊コースも設定。誘客のターゲットは県外・海外を含む主に20~30代でガイドブックも作製する。子どもたちがアートに触れる機会をつくるための「ラーニングプログラム」も実施する。

 県立美術館の工藤健志美術企画課長は「展覧会の会期を合わせ、回りやすくすることで青森を観光するきっかけになれば」と期待を示した。

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