青森市出身の世界的板画家・棟方志功(1903~75年)の代名詞とも言える女人(にょにん)をモチーフにした作品の企画展「安於母利妃(あおもりひ)」が20日、同市の棟方志功記念館で始まった。青森県の雄大な自然と母性への憧れを背景に生み出された板画や倭画(やまとが)など計35作品139点を展示。故郷への強い思いを来館者に与えている。12月17日まで。
同記念館は施設の老朽化などを理由に来年3月末で閉館となる予定だが、県立美術館で開催中の生誕120年記念企画展「メイキング・オブ・ムナカタ」との相乗効果で来館者が急増。同記念館で18日まで開かれた特別展「友情と信頼の障屏画(しょうへいが)」終了時点の本年度の来館者数は、コロナ禍前の2019年度の1万8340人をすでに上回る1万9484人となっている。
季節ごとに行う企画展は、今回を含め残り2回。会場には代表作の「門世(もんせい)の柵(安於母利妃の柵)」をはじめ、谷崎潤一郎の小説「鍵」の挿絵59点をびょうぶに貼った「鍵板画柵」、書家の金子鷗亭(おうてい)が書いた「鍵」の一節に棟方が倭画を添えた「双妃(そうひ)の図」、棟方が「わたくしの裸の女者のうちでは一番好きです」と自賛したという板画「湧然(ゆうぜん)する女者達々(にょしゃたちたち)」などが並ぶ。
女人像を通じて故郷の大自然を描いた「八甲田山の柵」や「津軽海峡の柵」、ハネトのように躍動する女人像を墨の濃淡のみで描いた晩年の傑作「青森山之神図」などさまざまな女人の姿を楽しめるのも、国内最大のコレクションを誇る同記念館ならでは。企画展を担当した宮野春香学芸員は「女人像の背景には、棟方の故郷への強い思いが込められていることを感じてもらえたら」と力を込めた。
開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館(祝日と12月4、11日は開館)。問い合わせは同記念館(電話017-777-4567)へ。
同記念館は施設の老朽化などを理由に来年3月末で閉館となる予定だが、県立美術館で開催中の生誕120年記念企画展「メイキング・オブ・ムナカタ」との相乗効果で来館者が急増。同記念館で18日まで開かれた特別展「友情と信頼の障屏画(しょうへいが)」終了時点の本年度の来館者数は、コロナ禍前の2019年度の1万8340人をすでに上回る1万9484人となっている。
季節ごとに行う企画展は、今回を含め残り2回。会場には代表作の「門世(もんせい)の柵(安於母利妃の柵)」をはじめ、谷崎潤一郎の小説「鍵」の挿絵59点をびょうぶに貼った「鍵板画柵」、書家の金子鷗亭(おうてい)が書いた「鍵」の一節に棟方が倭画を添えた「双妃(そうひ)の図」、棟方が「わたくしの裸の女者のうちでは一番好きです」と自賛したという板画「湧然(ゆうぜん)する女者達々(にょしゃたちたち)」などが並ぶ。
女人像を通じて故郷の大自然を描いた「八甲田山の柵」や「津軽海峡の柵」、ハネトのように躍動する女人像を墨の濃淡のみで描いた晩年の傑作「青森山之神図」などさまざまな女人の姿を楽しめるのも、国内最大のコレクションを誇る同記念館ならでは。企画展を担当した宮野春香学芸員は「女人像の背景には、棟方の故郷への強い思いが込められていることを感じてもらえたら」と力を込めた。
開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館(祝日と12月4、11日は開館)。問い合わせは同記念館(電話017-777-4567)へ。