県彫刻会が活動休止、青森で最後の展覧会

活動休止前最後の展示作業を行う県彫刻会の会員ら=8日午後、青森市の東奥日報新町ビル

 1939(昭和14)年結成の美術団体「塊友社(かいゆうしゃ)」を前身とする青森県唯一の彫刻家団体「県彫刻会」(竹村松博会長)が、会員数の減少や高齢化を理由に活動を休止することになった。9日から青森市の東奥日報新町ビルで行われる定期展が休止前最後の舞台。竹村会長は「あまりにも寂しいが、あえて『解散』とはしない。いつかまた若い人たちが活動を復活させてくれると信じたい」と語った。

 県彫刻会は中野桂樹、三國慶一、古藤正雄らが名を連ねた塊友社が戦争の混乱で解散した後、79年結成の改組塊友社を経て85年に現在の名称となった。日展で多くの入選歴を持つ村上文雄を中心とした定期展は評判を呼び、ピーク時の会員数は30人を超えた。

 その後は会員数の減少で活動を休止したが、新たな会員を募って2005年に活動を再開。県内各地で年1回の巡回展を重ねたものの、ここ数年は70~80歳代の会員が多くなり、新型コロナウイルスによる活動の停滞も相まって、35回目の展覧会をもって活動を一区切りすることになった。

 竹村会長は「時代の流れもあり、彫刻をやる人が少なくなってしまった。運営費の負担も大きく、休会はやむを得ない」と話す。

 休止前最後の定期展には会員・賛助会員15人の作品約50点のほか、会ゆかりの工藤繁造、工藤敬三、村上文雄、浅利竹清、小西正暉の作品を展示し、本県彫刻界の足跡をたどる。竹村会長は「言葉では説明できない思いが詰まった作品を見てもらいたい」と呼びかけた。

 同展は11日まで。午前10時から午後6時(最終日は午後3時)。問い合わせは竹村会長(電話080-4518-8388)へ。

展示作業を終え、笑顔で記念撮影する県彫刻会の会員たち。前列中央は竹村会長=8日午後、青森市の東奥日報新町ビル

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