世界遺産の三内丸山遺跡 本年度の発掘開始

表土を剥がして遺構の確認を進める発掘作業員=1日、青森市の三内丸山遺跡

 世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の中核である青森市の三内丸山遺跡で1日、2023年度の発掘調査(第48次調査)が始まった。今回は遺跡東側に位置する通称「南の谷」の南東で遺構の分布状況を調査する。近くでは22年度、土坑墓の可能性がある長楕円形(だえんけい)の黒土部分が見つかっており、この詳細についても調査することにしており、関係者は新たな発見へ意気込んでいる。

 本年度は「南の谷」南東側約1万2580平方メートルを10月31日までの予定で作業する。

 この日、任用通知書を受け取った発掘作業員6人は早速現場に出て、地表から約5センチの深さの土をシャベルで丁寧に除去。平安時代のものとみられる土師(はじ)器が複数見つかった。

 今後、さらに掘り下げて縄文時代の集落の広がりや土地利用の状況、土坑墓の広がりや構築時期を調べる。

 三内丸山遺跡センターの岡田康博所長のコメントを小笠原雅行副所長が代読。「三内丸山遺跡の全体像の解明につなげていきたい」と述べた。同遺跡で発掘作業員歴31年目という同市の渡邊ひとみさん(65)は「いいものが出れば世界遺産の発信にもなる。わくわくしながらお宝を探したい」と話した。発掘調査現場は7月上旬以降、一般公開する予定。

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