青森の方言とグルメが漫画の題材に

「津軽先輩の青森めじゃ飯!」第1巻(C)仁山渓太郎(秋田書店)2019

 青森市在住の漫画家・仁山渓太郎さん(29)=ペンネーム、が秋田書店のウェブ漫画配信サイト「マンガクロス」で連載中の「津軽先輩の青森めじゃ飯!」が単行本化され、第1巻が今年4月、発売された。青森県の方言とご当地グルメを題材に、初の単行本刊行を果たした仁山さんは「県外の人が青森を好きに、県内の人はもっと好きになる漫画にしたい」と意気込む。

 物語は、東京から青森県の新聞社に入社した女性記者・都飯美(みやこめしみ)が、職場の「津軽先輩」らの話す津軽弁に翻弄(ほんろう)されつつも、青森県のご当地グルメや人情に触れ、魅力を発見していく姿を描いている。いがメンチやせんべい汁、津軽そば、大鰐温泉もやしなどを紹介、ギャグや青森県の食をきっかけに主人公が成長するドラマも見どころだ。

 仁山さんは県内の高校を卒業後、東京造形大学(東京都八王子市)に進学。ゲームやアニメの道を目指したが、内定は得られず青森市に戻ることに。精神的に追い込まれたが、昔から漫画家に憧れていたことを思い出し一念発起。24歳でフリーターをしながら独学で漫画を描き始めた。

 「生まれた場所は個性。青森は自分にしか描けない武器になると思った」と語る仁山さん。土地に興味がない県外の人でも、ご当地グルメは食べてみたいと思うのでは、と青森県の方言と風景にグルメを組み合わせるアイデアがひらめいた。

 試行錯誤を重ねた同作は持ち込みをきっかけに秋田書店の目に留まり、昨年5月に連載がスタート。今年4月には単行本が書店に並んだ。「都内や県内の書店で完売になったと知った時はめちゃくちゃうれしくって。その日は興奮で眠れなかった」と仁山さんは頬を緩める。

 現在は月に2話のペースで連載をあげる傍ら、県内各地の飲食店などを巡っている。実際に現地へ足を運んでもらいたいとの思いから、実在する県内の風景をふんだんに漫画に盛り込む工夫も凝らす。飲食店での取材の際に、熱心に時間をかけて説明してくれる人も少なくないといい、「食に人生をかけている感じがした。その熱さが少しでも伝われば」と力を込めた。

 単行本はB6判で600円(税込み648円)。同作はマンガクロス(http://mangacross.jp)で連載中。サイト上で最新話などを読むことができる。

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