ご神体の蛭子様を拝む明盛組の伏見組頭=16日、むつ市

 下北地方最大の夏祭り「田名部まつり」が18日、3年ぶりに青森県むつ市で開幕する。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、5台の山車(やま)が街を練り歩く「五町曳(び)き」と神輿(みこし)渡御のルートを変更し、クライマックスの「五車別れ」を取りやめるなど、例年とは異なる形となる。それでも、まつりの舞台となる田名部五町の街はちょうちんが飾られ、囃子(はやし)の音色が響き、本番に向けて熱気を帯びつつある。

 まつり開幕を目前に控え、山車を運行する各町内の団体「組」では、運行に向けた準備や囃子の練習が大詰めを迎えている。

 今年、五つの組の取りまとめ役である当番を務める明盛(みょうせい)組(本町・田名部町)は16日、山車に乗せるご神体の蛭子様(えびすさま)を、保管してある蔵から出して迎えた。伏見紀生組頭(39)は「これまで積み重ねられた歴史があるからこそ、今自分たちはまつりができる。山車を運行できなかった2年間に組頭だった人をはじめ、いろいろな関係者の思いをくんで五町でしっかりまとまって本番を迎えたい」と話した。

 田名部まつりは、江戸時代に下北の総鎮守だった田名部神社の例大祭。例年8月18~20日の3日間で、神社での神事や神楽・能舞の奉納、各町内での山車運行が行われる。一昨年、昨年は新型コロナの影響で神事のみを関係者で行った。

 3年ぶりの開催となる今年は、18、19日には、豪川(ごうせん)組(横迎町)、義勇(ぎゆう)組(小川町)、共進(きょうしん)組(柳町)、明盛組、新盛(しんせい)組(新町)の五つの組の山車が各町内を回り、田名部神社に参詣する。最終日の20日は、五町曳きと神輿渡御を行うが、例年と運行ルートを変えて時間を短縮する。

 山車運行に参加できる人数は各組200人に制限。規模は例年の半分から3分の1ほどになり、一般市民の参加を断念し関係者のみで運行する組もある。

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