津鉄が五所川原駅階段に電動昇降機設置へ

階段の老朽化状況などを説明する澤田社長

 津軽鉄道(本社・青森県五所川原市)は、障害者らを乗せて階段を上り下りする電動式昇降機を設置できるよう、津軽五所川原駅の跨線橋(こせんきょう)とホームをつなぐ階段の改修工事に着手する。22日、インターネット上で工事費などの資金を調達するクラウドファンディング(CF)を開始。新型コロナウイルスの影響で厳しい経営環境が続く中、津鉄ファンの力を借りて駅のバリアフリー化を進める。

 昇降機の設置は、脊髄小脳変性症を患い、自力で歩くことが困難な同市金木町の角田憲勇さん(50)が津鉄に要望していた。

 同駅の階段は使用開始から約60年が経過し、老朽化が著しい。昇降機の荷重に耐えられず破損する恐れがあることから、鉄製の階段に改修する。

 津鉄は、車いすの障害者が鉄道を利用する場合、職員4人が障害者を車いすごと抱え階段を上り下りしている。昇降機は障害者のみを乗せ電動で移動するため、機器を操作して車いすを運ぶ1、2人で対応でき、負担軽減につながる。

 CFの目標額は942万円で、改修工事と昇降機の購入費用約660万円を含む。5月13日まで募集し、目標額を下回った場合は差額分を五所川原市の補助金で埋める。工事期間は6~8月。

 22日、CFの概要を報道陣に説明した津鉄の澤田長二郎社長は「利用客と鉄道を結ぶ大事な階段で、人に優しい津鉄にしたい」と述べた。角田さんは「五所川原が障害者に優しい街となり、観光客が増えてくれれば」と期待を語った。

 CFの申し込みは専用のサイト(https://readyfor.jp/projects/tutetsu)で受け付ける。

津鉄が購入する予定の電動式昇降機

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