「震災10年」展示 青森県立美術館で9日から

青森県の風景などを写した自身の作品の前で思いを語る北島さん(右から3人目)らアーティストとキュレーター=8日、青森市の県立美術館

 時間とともに薄れゆく震災の記憶をいかに次世代へつなぎ、教訓を伝えるか-。4人のアーティストの作品から考える展示「東日本大震災10年 あかし testaments(テスタメンツ)」(同展実行委員会主催)が9日から、青森市の県立美術館で開かれる。8日は内覧会と会見が行われ、参加アーティストらが作品に込めた思いを語った。

 展示に参加するのは、日本を代表する写真家の北島敬三さん、韓国・済州(チェジュ)島出身の美術家コ・スンウクさん、八戸市出身で演劇や美術など多方面で活躍した故豊島重之さん(1946~2019年)、沖縄県出身の映像作家・美術家の山城知佳子さん。4人の作品は、震災をはじめ時間の経過とともに「見えなくなったもの」をすくい上げようとしている点が共通しており、会場には写真、ビデオ、インスタレーション、舞台装置など約100点が並んだ。

 会見には、北島さん、山城さん、豊島さんの妻・高沢利栄さん、キュレーターを務めた同館の高橋しげみさん、ゲストキュレーターの李静和(リジョンファ)さん、倉石信乃さんが出席。高橋さんは「次第に震災のことが見えなくなっていくという実感がある中で、東北の美術館として応答したいとの気持ちがあった」と企画に込めた思いを語った。

 被写体に震災の被災地も含めて撮影を続ける北島さんは取材に対し「被災地と、(それ以外の)私たちが普段見ている風景はもしかしたら同じなんじゃないか、という意識で撮影している」と話した。

 同展は2022年1月23日まで。

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