2年越し、面に魂/五所川原立佞武多

2年越しで面に目が入れられた「暫」

 五所川原立佞武多(たちねぷた)の本年度の新作「暫(しばらく)」の面に墨を入れる「書き割り」が18日、青森県五所川原市の立佞武多の館で行われた。新型コロナウイルスのため昨年、制作が一時中断しており、2年越しで目が入れられ魂が吹き込まれた。

 暫は、歌舞伎の演目を題材に主人公が見えを切る場面を再現した作品。市観光物産課技能技師で制作者の鶴谷昭法さん(38)の6作目となる大型立佞武多で、2019年11月に制作に着手したが20年4月に中断。今年2月に作業を再開した。

 18日の書き割りで鶴谷さんは太さの異なる絵筆を使い分けながら、縦2.4メートル、横3.5メートルの面に口、鼻、目を縁取り、太くりりしい眉を大胆に描いた。1時間ほどかけ、最後に大きく力強い黒目を一気に描き入れた。

 作業後、鶴谷さんは「ようやくここまでたどり着けた」と感慨深げ。「いつもなら勇壮さをイメージするが、歌舞伎を題材にしたので、りりしさを強調した」とし、「1年延びた分、制作に時間をかけることができた。いいものに仕上がると思う」と述べた。

 色付け、組み立てなどを経て7月9日に完成する。立佞武多祭りは今年も中止だが、完成後は立佞武多の館で展示されるほか、10月の代替イベントでお披露目される予定。

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